ブシロードは、東京ゲームショウの自社ブースで、スマートフォン向けの新作カードゲーム『ラストグノウシア』を発表した。漫画やアニメからゲームへ展開する形を得意とする同社だが、今回は完全オリジナル。世界観を『ロードス島戦記』や『魔法戦士リウイ』を手掛けたゲームデザイナーの水野良氏が設定・構築している。iPhoneやAndroid端末向けに、基本プレー無料(アプリ内課金あり)で配信予定だ。
ゲームの舞台は、水野氏が「霊的なものと物質的なものが未分化な世界をイメージした」という「真世界グノウシア」。キャラクターの中には、政略結婚をした者や、無常観を抱いている者もいて「ダーク」なファンタジーになるという。陰陽五行説のような考えを取り入れ、キャラクターの出身地の方角も意味を持つ予定だ。
ただし、水野氏によれば、中村瑠衣子氏が手掛けるイラストに触発されて、新たな設定を思いつくこともあるそうで、制作発表会では、プレーヤーキャラクターの一人、エブラールについて「元騎士は辞めました、戦士にする」と設定変更を宣言する一幕もあった。配信までに、世界観やキャラクターのブラッシュアップが期待できそうだ。
コンセプトは「オフライン対戦の面白さをオンラインに持ち込む」(ブシロード取締役の広瀬和彦氏)こと。カードゲームでは一般的なターン制を取らず、リアルタイムにカードを場に出し合い、対戦する。カードは横並びに一度に3枚まで出すことができ、出したカードは目の前の相手カードもしくは相手プレーヤーを攻撃する。
カードを出すのにエネルギーが必要で、それを貯めると必殺技が出せるなど、単に「早く出せば勝ち」とはいかない、戦略性が問われるゲームデザインになっている。カードの種類も多様で、素早く攻撃できるカードがあれば、攻撃まで時間はかかるが相手に大きなダメージを与えられるカードなど、さまざま。これらの特性を把握することが勝利への近道となる。
17日のステージイベントにはシャンティ役の明坂聡美氏も
東京ゲームショウの同社ブースで行われた制作発表会では、プレーヤーキャラクターの一人、アルテミアのCV(キャラクターボイス)を担当する青木志貴氏と、発表会のMCを務めた声優の森嶋秀太氏が熱戦をくり広げた。対戦を終えると、2戦とも勝利した青木氏は「リアルタイムだから緊張感がやばい」、2連敗の森嶋氏は「スピーディーに考える力がきたえられる」と感想を話した。
青木氏は、退屈な暮らしを嫌って森を飛び出したエルフというアルテミアの役柄について「人間以外の役は初めて。でも、僕も面白いことを求めて田舎から東京へ出てきたので、そこは共通点かも」と、早くも思い入れを持った様子をうかがわせた。
東京ゲームショウのブシロードのブースでは、本作の最速試遊が可能。また、一般公開日の9月17日には13時からステージイベントを催す。このイベントには青木氏のほか、シャンティ役の明坂聡美氏も登壇を予定している。東京ゲームショウ後も、2016年10月から12月にかけて、全国5カ所で試遊体験会を開催する予定。クローズドβテストの参加者も公式サイトで募集中だ。
(文/赤坂麻実)