米Sony Interactive Entertainment社が、東京ゲームショウに先立って発表した、小型・軽量化した「PlayStation 4(PS4)」(CUH-2000シリーズ、2016年9月15日発売)と、4K映像を出力できる「PlayStation 4 Pro」(CUH-7000シリーズ、2016年11月10日発売)。そのハードウエア構成などはどのように変わったのか。同社 EVP(ハードウエアエンジニアリング & オペレーション)の伊藤雅康氏に話を聞いた。(聞き手は根津 禎=日経エレクトロニクス)

「PS4 Proは大きな挑戦」、SIEキーパーソンに聞く(画像)
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――新型PS4とPS4 Proはいつごろ着想したのか。

 多少前後するが、いずれもPS4発売の翌年である2014年からだ。

――これまでのPSでは、同時期に2種類の異なるシリーズを販売するのは初めてではないか。

 そうだ。従来は、内蔵するHDDの容量が異なるモデルはあったが、同一世代のPSで、PS4とPS4 Proのような2種類のハードを展開するのは初めである。我々にとって大きいチャレンジだ。昨今、技術の進化は更に早くなり、パソコンの処理性能がどんどんと向上している。するとパソコンとゲーム機の性能の差が広がる一方になる。そこでその差を埋め、コアゲーマーに満足してもらうために、ハイエンドモデルであるPS4 Proをリリースした。

 PS4 Proの購買層は、主にコアゲーマーではないかと思っているが、もちろんまだPS4を持っていない人も購入するだろう。

 一方、通常のPS4は、小さく軽くなり、かつ5000円(日本の場合)安くなったので、さらに多くの人がPS4を購入すると期待している。2016年度(2016年4月〜2016年3月)で、PS4の販売台数は2000万台を見込んでいる。この数値は、今回の新型PS4やPS4 Proを織り込み済みのものである。

 PS4は発売時、399米ドルという「マジックプライス(よく売れる価格)」であった。新型PS4は299米ドルとさらに100米ドル安くなるので、ゲームのライトユーザーもより買いやすくなり、(販売数が大きく伸びる)「次の山」を作れると期待している。

 新型PS4もPS4 Proも、本体の角が丸みを帯びており、ライトユーザーに気軽に手に取ってもらえるように、やわらかな印象を与えるような外観にしている。

――これまでのPS4を含め、すべてのPS4シリーズで「HDR(High Dynamic Range)」に対応し、PS4 Proでは4Kに対応した。映像面を強化した理由は?

 ゲーム開発者は常によりよい映像を追求している。そこで、4KとHDRに対応した。PS4 Proでは、CPUの処理性能が従来の約1.3倍、GPUが約2.3倍に向上したメーンプロセッサーを搭載している。このプロセッサーにより、一定のフレームレート(フレーム速度)を実現できる。従来は、ゲームの場面ごとにフレームレートを変える「可変」型であった。

――新型PS4では、小型・軽量化している。PS3でも、このような小型・軽量化したモデルが出た。このときは、メーンプロセッサーの微細化が進み、消費電力が小さくなったことで、発熱量が減り、それが小型・軽量化につながった。今回のPS4でも同じように、1チップにCPUとGPUを搭載した統合型のメーンプロセッサー(米Advanced Micro Devices社製)の微細化を進めたのか。

 そうだ。従来のPS4のメーンプロセッサーは28nm(ナノメートル)世代の製造プロセスを適用した。新型PS4とPS4 Proは共に、16nm世代の「FinFET」プロセスを適用した。

(文/根津 禎=日経エレクトロニクス、写真/中村宏)