消費者に商品としての価値を与えるAIoT

シャープの「AIoT」を象徴する製品として発売された「RoBoHoN」
シャープの「AIoT」を象徴する製品として発売された「RoBoHoN」
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――シャープではAIとIoTを組み合わせた「AIoT」というビジョンを打ち出しています。なぜIoTにAIを取り入れるという発想が生まれたのでしょう?

ザウルスと「ともだち家電」の接点~シャープ 白石奈緒樹氏(画像)
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白石氏: 多くのIT企業は、「IoTはクラウドにデータを集めて解析することで価値が生まれる」と説明しています。しかし私は、そうはいかないと思っています。モノをIoTにしようとすると特別な装置を入れなければいけませんし、そのためには追加コストがかかる。半面、ビッグデータがどうこうと説明しても、お客さんはそこに価値を感じていないので、追加コストを払ってまでIoT対応製品を選んではくれないのです。

 では、お客さんが購入した時に意味があるものを提供するにはどうしたらいいか。私が考えたのは、「クラウドのコンピューティングパワーを白物家電に反映させる」ということでした。例えば、最高の焼き加減に仕上げるノウハウをオーブントースターが学び、それをクラウドに蓄積していけば、枚数やパンの質から程よい焼き具合を多くの人に届けられる。そうしたメリットをコンセプトとして掲げるべく、AIoTの概念を打ち出しました。

――自宅の家電機器を全て同じメーカーのクラウドに対応させるのは、難しいのではないでしょうか。

白石氏: 家電機器は10年間は利用するのでそうした問題は出てくるでしょうし、シャープ製品だけがクラウドにつながるのでは、あまり意味がありません。そこでWi-Fi経由でクラウドに接続し、音声対話が利用できるモジュールを作り、他のメーカーなどにもAIoTを活用してもらうためのプラットフォームを提供することにしました。このモジュールは一番新しいヘルシオにも導入されており、声で話しかけて献立を相談するなどの機能を実現しています。

 10月3日に、話しかけて自宅の家電機器を制御する「ホームアシスタント」を発表しました。今後、家の中におけるIoTの中心的な役割を果たすものと位置付けています。詳細は、TREND EXPO TOKYO 2016でお話できればと思います。

シャープが発表した「ホームアシスタント」
シャープが発表した「ホームアシスタント」
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(文/佐野正弘、photo/近森千展)