「子どもがテクノロジーに興味を持つきっかけになればいい」

――低学年のお子さんも通っているんですね。

上野: 創業当初は小学校3年生から6年生までが対象でしたが、親御さんからの関心の高まりを受けて、2015年から対象を低学年まで広げました。学年別の割合としては、3、4年生が一番多いですね。

――コースはどんなものがありますか?

上野: 子ども向けの簡単なプログラミング環境「Scratch(スクラッチ)」を使うコースや、大人も楽しめるようなiPhoneアプリを開発するコース等、全部で8つのコースがあります。最近ではマインクラフトのコースも人気が高いです。中には、小学校4年生にしてオリジナルのiPhoneアプリを開発し、App Storeにリリースしてしまう生徒もいます。

――生徒さんはだいたいどれくらいの期間スクールに通うのですか?

上野: Tech Kids Schoolでは1クールを半年間で設定しています。1回の授業は120分と少し長めですが、お子さんたちの集中力が切れている様子はあまり見られません。ゲームをプレーするのと同じように、楽しみながらプログラミングをしてゲーム開発に取り組んでいます。

――プログラミング学習を始めるのは、やはり早ければ早いほうがいい?

プログラミングを自己実現の手段に~CA Tech Kids 上野 朝大氏(画像)
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上野: 個人的には、「早ければ早いほどいい」とは考えていません。英語のように自然に学んでいくものや、スポーツのように体の発達に伴って上達するものとは違い、プログラミングはロジックの積み重ねですから。「条件分岐」などの概念は、9歳くらいでないと理解するのが難しいという研究もあります。ただ、プログラミングをやってみたい、アプリやゲームを作ってみたいという本人の意欲があるのであれば、何歳であっても早すぎる・遅すぎるということはないと思います。

――小さい子どものほうが、直感的に理解できるというわけではないのですね。

上野: 多くのお子さんは、パソコンなどのIT機器が大好きで、抵抗感がありません。失敗を恐れずにどんどんトライして、失敗して上手くいかなければまたトライして、という積極性があります。そういう部分は、小さいうちからやってみることのメリットの一つだと思います。また、例えば「自分は文系だから」という理由でプログラミングに興味を持たないといったように、子どもも成長して大きくなるにつれ、自分で向き、不向きを決めつけるようになっていきます。そういう意味でも、好奇心が旺盛で何にでも興味を持てるうちにプログラミングに触れてもらうことは、有意義だと思います。また、早い時期にプログラミング技術を身につけるというよりは、「テクノロジーがあれば世界とつながれる」という認識を持つことがなにより大切と思います。

――テクノロジーに興味を持つきっかけづくりになれば、ということですね。

上野: その通りです。我々は子どもたちの「アイデアを実現できる力」を育てることを目標としています。アイデア実現の手段としてテクノロジーがあるということを、キャンプやスクールを通して伝えていきたいと思っています。

(文/樋口可奈子、写真/シバタススム)

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