ヤフーがIoTプラットフォームを手掛ける強み

――IoTによる新しい時代を実現する一歩としてのmyThingsですが、どういった点に力を入れて設計されたのでしょうか。

村上氏: 一番重要だと思っているのは、色々なモノがつながっていく中で、これまでできていなかった体験を作り上げることです。ユーザー数を増やすなら、単にネットサービス同士をつなげるだけでなく、つなげるデバイスのラインアップの幅も広げる必要がある。myThingsでは、「BOCCO」などの対話型ロボットや、学習機能を備えた赤外線リモコン「iRemocon」など、幅広いラインアップのIoT製品に対応することを重視しています。

ユカイ工学の対話型ロボット「BOCCO」。myThingsを通じて、今日の天気予報などの情報をBOCCOが声で伝えることができる。シャープの「ともだち家電」シリーズでも同様のことができる
ユカイ工学の対話型ロボット「BOCCO」。myThingsを通じて、今日の天気予報などの情報をBOCCOが声で伝えることができる。シャープの「ともだち家電」シリーズでも同様のことができる
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――現在、myThingsはどのようなユーザーに利用されているのでしょうか。

村上氏: myThingsは現在のところ、工作系のユーザーやメーカーの人たちなど、リテラシーの高い人たちがコアファンとなって支えている状況です。

 元々日本人は、最初からあるサービスをカスタマイズするのが苦手で、何かと何かを組み合わせて便利にするといっても、「何をしていいか分からない」と答える人が多い。それではサービスの利用が広まりませんから、さまざまな組み合わせを「おすすめ」「特集」などの形で提示することで、myThingsの利便性を理解してもらい、利用を広げていきたいと考えています。

IoTで機械が空気を読む時代に~ヤフー 村上臣氏(画像)
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IoTで機械が空気を読む時代に~ヤフー 村上臣氏(画像)
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myThingsのアプリでは、旅、防災などのテーマでIoT機器・サービスの連係の例を紹介。例えば、旅行先でホテルに到着するたびに家族にメールを送る、津波警報が発令されたらBOCCOが「逃げよう」と発話する、などといった設定が可能

――ヤフーがIoTのプラットフォームを展開する上で、何が強みになると考えているのでしょうか。

村上氏: Yahoo! JAPAN IDの月間アクティブユーザーは約3400万人で、さらに月額の有料会員は約1700万人います。それゆえ認証からデバイス管理、決済に至るまで、既に多くの人が利用しているIDを用いて簡単に実現できるのが、大きな強みといえるのではないでしょうか。

IoTで機械が空気を読む時代に~ヤフー 村上臣氏(画像)
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 しかもYahoo! JAPAN IDを活用することで、ユーザーのログイン状態や決済情報だけでなく、さまざまな行動データを蓄積できる。そこにIoTデバイスがつながることで、ユーザーに対してより精度の高い提案ができるようになる。そうしたデータを持つ強みが、IoTにおいても生かせるのではないかと思っています。

――今後myThings、ひいてはIoTの利用を広げる上で、どのような点に力を入れるべきと考えていますか?

IoTで機械が空気を読む時代に~ヤフー 村上臣氏(画像)
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村上氏: 我々はハードウエアを手掛けているわけではありませんので、ハード面は得意とする企業に任せて、あくまでその上のレイヤーのビジネスに徹したいと考えています。

 そこで大きな課題となるのは、データマイニング(データ解析を通じた知見の獲得)ですね。IoTでは今まで取得できなかったデータが取得できる分、データも指数関数的に増えてしまいます。またプライバシーとなる情報も多く扱うこととなるため、ユーザーのプライバシーをいかに保持するかというのも、大きな課題となってくるでしょう。そうしたデータをいかに処理して、有益な情報を提供するかが、弊社としてのチャレンジになってくるのではないでしょうか。

(文/佐野正弘、photo/近森千展)