「ロボットは心を潤わせるコンシェルジュ」

――販売はDMMのECサイトがメイン?

岡本: 初めはECサイトだけで売れると思っていました。でも、甘かったですね(苦笑)。というのも、ロボットの購買層は、高齢者が多い。ネットにはなじみがないという人も少なくありませんでした。そこで、イオンと組んだ。イオンの店舗イベント「お客様感謝デー」で、1日150台売れるなど、売り上げは急激に伸びました。それから、販売チャネルを増やすことを重視し、百貨店やアマゾンでも扱っていただいています。

――購入者の年齢層や使用目的を教えてください。

岡本: Palmiに関していうと、購入者の7割は50代以上。子どもが親にプレゼントすることも多いので、実際の使用者の年齢はもっと高いでしょう。購入の目的については、「一人暮らしなので話し相手が欲しかった」「ペットを亡くして寂しいので、Palmiを購入した」といった声が聞かれました。家族の一員として迎えられているケースが多いようです。Palmiの特徴は、相づちうまく、話し過ぎと思われるくらいしゃべりかけてくる。そこがウケていますね。

ロボットは人の心を潤せるか?~DMM.com 岡本康広氏(画像)
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――使用を続けているうちに、「飽きてくる」「故障する」などの問題は?

岡本: 飽きてくるという問題点は、正直あると思います。コンテンツの追加が今後の課題ですね。アプリやゲームを更新するなど、改善を図っていきたいです。故障に関しての対応は、事業立ち上げ時に比べるとかなり進歩しています。Palmiをはじめ、二足歩行のロボットは、落下や転倒による故障が付きもの。故障の原因やお客様の意見を蓄積し、サポートに生かしています。

――ロボットのいる家庭がめずらしい光景でなくなるのは、いつになりますか。

岡本: 難しい質問ですね。ゲーム機くらいの普及ということであれば、2~3年後あたりでしょうか。音声認識の精度が上がるなど、技術が急速に高まっていますから、2年後にはかなり高い普及率を得られることは十分に考えられます。外出先ではスマホを使い、家ではロボットを活用する。そんな時代は、遠くはありません。今はみなさんにロボットを知ってもらうために、一台でも多く売っていくことが大切だと考えています。

――消費者がロボットに求める要求が高く、購買に結びつかないという状況はありませんか。

岡本: 正直、あります。消費者のロボットに対する期待は、限りなく高い。テレビや映画に出てくるロボットのイメージが定着していて、ドラえもんのように「こんなこともできるだろう」と思われる。そのレベルを期待されると、「この程度か」というギャップが生まれてしまいます。現在、ロボットを愛用している方は、そのあたりを理解している方が多い。ロボットにも「ここはすごいけれど、ここはダメだよね」という個性があって、そこに愛着を覚えるようです。ロボットを販売する際には、そうしたロボットの特性をしっかりと伝えていきたいです。

――最後に、岡本さんが考えるロボットの理想像を教えてください。

岡本: ロボットは家電のような快適性と、ゲーム機のようなエンタメ性を併せ持っています。言い換えれば、ただ単に生活を便利にするだけでなく、人の心を潤わせるコンシェルジュのような存在になり得ます。楽しくて、しかも役に立つ。そんな2つの魅力を発揮できるロボットを扱っていきたいですね。

(文/川岸 徹、写真/シバタススム)

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