スマホを探す機能も

 タグのボタンを利用した機能としては、スマホを鳴らす機能とスマホカメラのシャッター代わりになる機能が利用できる。ボタン設定はアプリで行え、「1回押し」「2回押し」「長押し」の3パターンで設定可能だ。

 スマホを鳴らす機能は、音量を下げていても必ず最大音量で鳴らしてくれるため、スマホが上着のポケットやバッグの奥に入っていても、まず間違いなく気づく。ボタンを押してから鳴るまでに5〜10秒ほどかかるが、この点はそれほど問題ではないだろう。

 シャッター代わりの機能は、ボタンを押すとまず専用のカメラUIがスマホ側で起動する。その状態でもう一度ボタンを押すとシャッターが切れる仕組みだ。

 ただ、こちらもボタンを押してから撮影するまでに5〜10秒ほどかかる。スマホを鳴らす場合ならともかく、撮影でこのタイムラグはちょっと待てない。スマートウォッチでは同様の機能を1秒程度で実現しているので、せめてそれと同じぐらいの時間になってくれないと実用的とは言えないだろう。

リモコン機能は、設定画面で3つのパターンごとに別々の機能を割り当てられる。とはいえ、現時点では利用できる機能は2つのみ。今後の機能追加が期待される
リモコン機能は、設定画面で3つのパターンごとに別々の機能を割り当てられる。とはいえ、現時点では利用できる機能は2つのみ。今後の機能追加が期待される
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気になるのはバッテリー消費

 使っていて気になったのはスマホのバッテリー消費だ。

 タグの位置情報はスマホのGPS機能を利用するため、スマホのバッテリー消費が増えるのはある意味仕方がない。しかし、10分間隔で位置情報を取得する設定で筆者が使ってみると、バッテリーは1時間で約6%消費した。機能をオフにすると約4%だったので、Qrio Smart Lockだけで1時間に2%のバッテリーを消費したことになる。

 これは、単純に計算すると12時間で24%消費するということ。スマホの利用方法によっては、タグを付けていることで、スマホのバッテリーが1日もたなくなるケースもあり得る。

 一方、こうした問題の解決策として、タグにはバッテリー消費を抑える機能が2つ備わっている。

 1つ目は、自宅や会社といった「信頼できる場所」を事前に設定しておくことで、その範囲内ではタグの検索を自動的にオフにし、バッテリー消費を抑える機能。その場所から離れるとタグ検索が自動でオンに戻るので、これはぜひとも活用したい。

 2つ目は、アプリからのタグの検索頻度を下げることで消費を抑える「省エネモード」。通知の遅延やリモコン機能の一部が制限されるデメリットがあるため使いどころに悩むが、バッテリーが減っているときなどは利用するのもありだろう。

「信頼できる場所」の設定や省エネモードへの切り替えは、アプリの「省電力設定」で行う(左)。また、通知エリアからワンタッチで省エネモードに切り替えたり、タグの検索自体をオフにしたりすることも可能だ(右)
「信頼できる場所」の設定や省エネモードへの切り替えは、アプリの「省電力設定」で行う(左)。また、通知エリアからワンタッチで省エネモードに切り替えたり、タグの検索自体をオフにしたりすることも可能だ(右)
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「信頼できる場所」を設定すると、地図上に赤丸でその範囲が表示される。3カ所まで設定できるので、自宅や会社などを設定しておくと手間をかけずバッテリーの消費を抑えられる
「信頼できる場所」を設定すると、地図上に赤丸でその範囲が表示される。3カ所まで設定できるので、自宅や会社などを設定しておくと手間をかけずバッテリーの消費を抑えられる
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 Qrio Smart Tagを全体的に見ると、通知などの遅延やバッテリーの問題などから、製品本来の実力を出しきれていないように感じた。筆者の使い方のように部屋の中で見失った自転車のカギを見つけるぶんには十分利用できるが、外出中の紛失に対しては課題があると考える。例えば通常機能を制限しなくて、スマホのバッテリーを気にしないで使えるようになってほしい。アプリやファームウエアのアップデートで改善できる部分もあると思うので、解決を期待したいところだ。加えて、タグのボタンを使った機能もさらに増えると個人的にはうれしい。

(文/近藤 寿成=スプール)