2016年2月のモバイル機器の見本市「Mobile World Congress 2016(MWC)」で大きな注目を集めたソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Ear(型名:XEA10)」が日本で正式発表された。2016年11月18日発売で、実売価格は2万円前後を予定する。

ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートプロダクト「Xperia Ear」。本体(左)と充電に対応した専用ケース(右)。スマホの対応OSはAndroid 4.4以上で、専用アプリの提供もAndroid版のみ。iOSは非対応となる。カラーはグラファイトブラックのみ
ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートプロダクト「Xperia Ear」。本体(左)と充電に対応した専用ケース(右)。スマホの対応OSはAndroid 4.4以上で、専用アプリの提供もAndroid版のみ。iOSは非対応となる。カラーはグラファイトブラックのみ
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 Xperia Earは、一見すると片耳タイプの一般的なBluetoothヘッドセットのような製品だが、専用アプリと組み合わせることでスマホのさまざまな機能をサポートする。例えばメッセージの送受信やスケジュールの確認、ニュースのチェック、情報検索などを音声でできるようになる。

 移動中や仕事中などスマホを取り出しづらいシーンでの利用を想定したアイテムという意味では、スマートウォッチに近い製品。さしずめ「スマートイヤホン」といったところだろう。

本体の重さは約6.6gと小型で軽量。左右どちらの耳に着けても利用できる。Bluetooth 4.1を搭載し、NFCに対応
本体の重さは約6.6gと小型で軽量。左右どちらの耳に着けても利用できる。Bluetooth 4.1を搭載し、NFCに対応
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Xperia Earの装着イメージ
Xperia Earの装着イメージ
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Xperiaブランドを一新

 Xperia EarはソニーモバイルがMWCで発表した「Xperiaスマートプロダクト」の第一弾商品だ。

 「Xperia」はこれまでスマートフォンやタブレット端末のみのブランド名だったが、MWCでは「Xperiaをコミュニケーションデバイス全体に冠するブランド名に拡大する」と発表。「コミュニケーションの未来を創造する」というビジョンを掲げたXperiaスマートプロダクトが誕生した。

 製品を統括するソニーモバイルコミュニケーションズ スマートプロダクト部門 商品企画課 統括課長の近藤博仁氏によれば、Xperiaスマートプロダクトでは「高い知能や人間の能力を拡張するコミュニケーションデバイスを用いて、人の生活を豊かにする。そんなメッセージを込めた商品を提供していく」とのこと。Xperia Ear以外にも、画面タッチに対応したプロジェクター「Xperia Projector」や、声やしぐさに反応するロボット型アイテム「Xperia Agent」などが、コンセプトモデルとしてすでに披露されている。

ソニーモバイルコミュニケーションズ スマートプロダクト部門 商品企画課 統括課長 近藤博仁氏
ソニーモバイルコミュニケーションズ スマートプロダクト部門 商品企画課 統括課長 近藤博仁氏
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左からXperia Ear、Xperia Projector、Xperia Agentのイメージ
左からXperia Ear、Xperia Projector、Xperia Agentのイメージ
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音声検索やナビに対応

 Xperia Earは、音声によるアシスタント機能が大きなポイントだ。例えば、通話の場合は「○○さんに電話して」と話すことで発信可能。一方、不在着信があった際にはXperia Ear装着時に「10分前に、○○さんから不在着信がありました」と知らせてくれ、そのまま折り返し電話もできる。

 ショートメッセージ(SMS)やLINE、Facebook Messengerなどは、受信時にメッセージを読み上げるほか、音声での返信も可能。Eメールについては、受信時の読み上げのみに対応する。

 このほかにも「東京の天気は?」と話せば天気、「今日の予定は?」でスケジュール、「ニュースを読んで」でニュースの確認が可能。情報検索やルート検索にも対応しており、「○○について教えて」でウィキペディアの検索結果、「○○まで電車でナビ」では、ナビゲーションを音声で伝えてくれる。

アシスタント機能は、定型文をがっちり話す必要はなく、ある程度は幅をもって認識する。例えば、スケジュール確認は「予定を教えて?」でなくても「今日のスケジュールは?」などでも反応してくれる
アシスタント機能は、定型文をがっちり話す必要はなく、ある程度は幅をもって認識する。例えば、スケジュール確認は「予定を教えて?」でなくても「今日のスケジュールは?」などでも反応してくれる
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 なお、このアシスタント機能の音声認識に活用されているのが「ソニーエージェントテクノロジー」。スマートバンドトーク「SWR30」やスマートBluetoothスピーカー「BSP60」の専用アプリ「ボイスコントロール」で利用された技術がベースとなっている。また、アシスタント機能の日本語音声は声優の寿美菜子さんが担当している。

専用アプリのメイン画面(左)。Xperia Earはボタンをひとつだけ搭載し、シングルクリックで音声アシスタントを起動できるほか、長押しで指定した電話番号に電話をかけたり音楽を再生させたりすることが可能。ボタン操作の設定はアプリで変更できる(右)
専用アプリのメイン画面(左)。Xperia Earはボタンをひとつだけ搭載し、シングルクリックで音声アシスタントを起動できるほか、長押しで指定した電話番号に電話をかけたり音楽を再生させたりすることが可能。ボタン操作の設定はアプリで変更できる(右)
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首を振る動作を感知

 そのほか、近接センサーを搭載しており、装着を感知して不在着信やスケジュール、ニュースを自動通知させることが可能。通知内容などの設定はアプリで変更できる。

 加速度センサーやジャイロセンサーを利用したヘッドジェスチャーにも対応。首を縦に振るうなずきで「はい」、横に振る動きで「いいえ」の操作に対応する。電車内などで、声を出さずに返信を拒否するといった操作ができるのは便利だ。

 また、専用ケースはバッテリーを内蔵しており、収納時はXperia Earの充電に対応。Xperia Ear本体の連続通話時間は約4時間、連続待受時間は約80時間となるが、専用ケースでその3回分の充電が可能となる。

充電ケースにXperia Earを収納すると充電がスタートする。またXperia Earには電源ボタンがなく、ケースから取り出すと自動的に電源がオンになる
充電ケースにXperia Earを収納すると充電がスタートする。またXperia Earには電源ボタンがなく、ケースから取り出すと自動的に電源がオンになる
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どの機能が面白そう?

 今回、発表会でXperia Earに少しだけ触れる機会があった。実際に耳に装着してみた感想としては「結構軽い」というのが第一印象。装着感も特に不満はなく、普通のイヤホンとそれほど変わらない感覚で利用できると感じた。

 また、筆者はラジオをよく聞く。そのため、説明を聞いたなかでは、ニュースを音声で読み上げてくれる機能にはかなり興味がわいた。移動中の情報収集に活用できるので利便性は高いのでは、と感じている。LINEやメッセージの読み上げについても、電話で話す感覚に近いと思えば、それほど違和感なく利用できるだろう。

 ただ、こうした機能はテキストをいかに正確に、そして違和感なく読み上げてくれるかが重要なポイントとなる。音声再生に関連するソフトウェアの作りこみがカギとなりそうだ。

 そのほか、うまく利用できればより便利になると思ったのは、センサー類を使ったヘッドジェスチャー認識。日本人はしゃべって操作するのが苦手な傾向にあると思うので、「はい」と「いいえ」以外の操作も無言でできるような仕組みが増えるといいのでは、と感じた。

(文/近藤 寿成=スプール)

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