物忘れ対策をしている人は多いが、「9割は効果に不満」

 小林製薬は2017年6月28日にオンジを配合した物忘れ改善薬「ワスノン」を発売した。

「ワスノン」28日分168錠入り、3700円。7日分42錠入りで1000円のパウチとの2種類で展開
「ワスノン」28日分168錠入り、3700円。7日分42錠入りで1000円のパウチとの2種類で展開
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 同社が40~79歳の男女にアンケートを取ったところ、老眼、体力低下に次いで、物忘れが気になると答えた人が多いことが分かった。そのうちの約半数が運動や食事の改善など何らかの対策をしているが「効果が感じられないという不満を抱えている人が9割もいる。改善が見込める医薬品が必要だと考えた」と同社のヘルスケア事業部マーケティング部 漢方・生薬グループの福田覚ブランドマネージャーは話す。

 小林製薬によると、オンジの物忘れの作用機序は以下の図の通り。加齢による神経細胞の萎縮と記憶力に関わる神経伝達物質アセチルコリンの減少によって記憶力は低下するが、オンジには神経細胞の萎縮を改善し、アセチルコリンの量を増やす効果があるという。ど忘れや以前と比べて記憶力が落ちたという感覚は、人によっては30代でも感じることがあるかもしれない。しかし、「あくまでも加齢による記憶力の低下に効果があるので、マーケティング上のターゲットを45歳以上から70代としている」(福田ブランドマネージャ-)。また、「オンジ自体に独特のえぐみがある」(同社)ので、顆粒や細粒は避けて錠剤を採用。1回2錠ずつ、1日3回を継続して飲むことを推奨している。

資料提供/小林製薬
資料提供/小林製薬
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 「物忘れの薬は本当に効くのかという疑問を感じて問い合わせてくる人も多い。調査でも『商品に興味があるが、効果が信じられない』と答える人が多かった」(福田ブランドマネージャー)。テレビCMも放映するが、あくまでも商品認知のツールとし、作用機序を理解してもらって購買につなげるために新聞やウェブ広告に力を入れていきたいとしている。

小容量でトライアルを増やす

 消費者が手を出しやすいように、1週間分で1000円の小容量も展開する。漢方を用いた医薬品の場合、錠剤のサイズや匂いなどが自分に合っているか試したいという声が多いという。1週間では効果を感じにくいかもしれないが、トライアルサイズ購入者のリピート率が高いというデータもあるそうだ。独特の匂いによって敬遠する人も多い漢方薬ならではの考え方だろう。

 物忘れ対策の商品はすでにサプリメントが数社から発売されているが、ブレークには至っていない。その理由を福田ブランドマネージャーは、「サプリメントが市場を作れなかったのは消費者にとって価格が高過ぎたのではないか」と分析。そのため、ワスノンは価格をやや控えめに設定したと話す。「サプリメントは将来のための予防として使うもの。一方、医薬品は物忘れのせいでアクティブに活動できないことにストレスを感じる人がターゲット。作用機序を伝えながら『物忘れは改善できる』という認知を広め、サプリメントでは作りきれなかった市場を作りたい」(福田ブランドマネージャー)。

■変更履歴
「症状が気になるであろう45歳以上から70代に効くとうたっている」としておりましたが、正しくは「マーケティング上のターゲットを45歳以上から70代としている」となります。お詫びして訂正いたします。[2017/10/6 15:30]