
現在、レコーダー市場は縮小傾向で、買い替えが約8割。そして2016年は、2011年のアナログ停波のころにレコーダーを買った人の買い替え需要が盛り上がる年と見られる。そのタイミングで、ソニーは長年、同社のAV機器と合わせてきたブルーレイレコーダーのユーザーインターフェースを一新した。その狙いとは何か? また、テレビが面白くなくなったと言われる時代に、レコーダーの果たす役割は何か? 第3回は、ソニーが考えるレコーダーの変化を取材した。
ソニーは2016年4月30日に発売したブルーレイディスクレコーダー(BDレコーダー)の新機種「BDZ-ZTシリーズ」「BDZ-ZWシリーズ」で、ホーム画面などのユーザーインターフェース(UI)を一新した。これまで採用していた「クロスメディアバー」と呼ばれるUIは、ダークカラーを背景にデザイン性にも富んだもの。一方、新しいUIは、「録画する」「視聴する」「削除/編集」などレコーダーの基本機能に大きめのアイコンを付けて横に並べたシンプルなものだ。
従来のソニーのレコーダーを知る人ならば、ホーム画面を見るや「これがソニーのレコーダー!?」と驚くかもしれない。というのも、クロスメディアバーは、長年にわたり、テレビやPlayStation 3などとも共通で採用してきた同社製AV製品の“顔”ともいえるUI。それを捨てて、新たなUIを取り入れたのはなぜなのか? 同社のホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部ホームビデオMK課マーケティングマネジャーの今井信祐氏に話を聞くと、近年、ソニーのレコーダーが抱えていた課題とレコーダーの取り巻く環境の変化、それを踏まえてソニーのレコーダー開発チームが取った選択が見えてきた。