カメラ事業では「チャレンジャー」

 こうしたソニーのカメラ事業部の根底にあるのは、「デジタル一眼レフカメラの分野において、ソニーは“チャレンジャー”」という意識だ。「チャレンジャーである以上、他社と横並びではダメ」と松下氏は語る。

 ソニーは、デジカメの黎明期からコンパクトデジカメ「Cyber-shot」シリーズを手がけており、側面が弧を描くスティック型モデル「Cyber-shot DSC-P1」(2000年発売)やカード型のスリムモデル「Cyber-shot DSC-T1」(2003年発売)など、個性的なヒットモデルを数多く輩出してきた。だが、他社がプロやハイアマチュア向けの製品でもデジタル化を進める一方で、ソニーはフィルム時代にカメラ事業を手がけていなかったこともあり、レンズ資産がカギとなるデジタル一眼レフなどのレンズ交換型カメラはラインアップできずにいた。

 転機は、デジタル一眼レフカメラ「α」をはじめとするレンズ交換型カメラの事業をコニカミノルタからまるごと譲り受けた2006年1月。当時伸び盛りのデジタル一眼レフでは最後発のスタートとなったことが、前述の「チャレンジャー」という言葉に表れている。

自社開発のデバイスで映像も変える ソニーのデジカメ(画像)
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自社開発のデバイスで映像も変える ソニーのデジカメ(画像)
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コニカミノルタからカメラ事業を継承したあと、ソニー初のデジタル一眼レフカメラとして2006年6月に発表した「α100」。2010年5月にはミラーレス一眼市場にも参入し、当時世界最小の「NEX-5」を投入した