スマホのせいで世界は狭くなっている?

 2014年に公開されたスパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』を見たことがある人ならば、映画に登場したAI型OSとそれを操作するヘッドセットを思い出してもらうとよく分かるだろうか。それを伝えたところ、Xperiaスマートプロダクトの企画を統括するソニーモバイルの近藤博仁氏は「現時点ではまだあそこまでの機能はないけれど、僕らがやりたいのはまさにあれ。プロジェクトのメンバー全員、あの映画を見ている」と笑顔を見せた。

 ソニーモバイルがXperia Earを開発した背景には、「ユーザーの視線をスマートフォンの画面から解放したい」という思いがある。スマートフォンを持つようになって、私たちは必要な情報をいつでもどこでも手軽に入手できるようになった。その半面、「皮肉にも世界が狭まっているのではないか」と近藤氏は言う。下を向き、スマートフォンの画面をのぞき込むばかりで、周囲の景色を見ていなかったり知り合いとすれ違っても気付かなかったり。「歩きスマホ」による事故が問題になるような時代でもある。目の前にある、今大切なこと、楽しいことを見過ごしてるのではないか。「それでは本末転倒でしょう?」(近藤氏)。情報が集まるのはスマートフォンでいい。だが、そこから情報を受けたり操作をしたりは音声でできれば、もうスマートフォンの画面を見なくていいじゃないか、というのである。

 Xperia Earには、普段から自然に身につけられるような工夫を施した。まずは音声。聞かせてもらうと、合成音声ながら自然でなめらかな発話だ。7言語8地域に対応するという。騒々しい場所でも聞こえが良くなるように、ヘッドセットにはノイズリダクション用のマイクも内蔵した。

 次に装着感。耳の穴の大きさは人によって異なるため、装着部分の形状は、オーディオ事業部にたった1人だけいる“耳型職人”と呼ばれる社員の協力を得て作り上げた。さらにイヤーピースは大きさの違う4種類を用意。フィット感を高めるため、取り外し可能な補助パッドも付けた。

 また、さまざまな機器で使えるよう、Android 4.4以降のOSを搭載したスマートフォンやタブレットならば、他社製のスマートフォンでも使用できようにする。

Xperia Earのコンセプトモデルでは4食を展示していたが、カラーバリエーションを用意するかは未定
Xperia Earのコンセプトモデルでは4食を展示していたが、カラーバリエーションを用意するかは未定
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