年に1本は、無理をしてでも他人に薦めたくなる傑作に出会うことがある。Netflixオリジナルドキュメンタリー『イカロス』(2017年・米国)は、まさにそういう作品だった。これを見て衝撃を受けた私は、居ても立ってもいられず、懇意にしている各局のテレビ制作者に「絶対に見るべき!」と押しつけがましいメールを送りつけた。まずは、『イカロス』を見た彼らの反応を紹介したい。
「めっちゃ面白いですね! ……ビビりました」
「衝撃ですね、打ちのめされました。ロシアのドーピング問題は知ってるつもりでしたが、告発する前から追いかけていた映像スタッフがいたとは……」
「見終わったあと、監督と元所長が生きているのか、思わず調べてしまいましたよ。時系列的にもにわかには信じられないことが次々起こるので、最初フィクションなのかと疑うほどでした」
いずれも、ドキュメンタリーや情報番組の第一線で活躍する制作者の感想である。私も全く同感だ。「映像制作の世界にいて、まだ『イカロス』を見ていない人は完全にモグリ。全員見たほうがいい」と押し売りしたいほどである。そして、平昌五輪で盛り上がる今だからこそ、「全国民、全世界の人がもっと見たほうがいい」とすら思う作品が『イカロス』なのである。
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