
佐々木健一「TVクリエイターのミカタ!」
質の高いコンテンツとは? そもそもクオリティとは? 人が面白いと感じるのはなぜ?――。『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード」「えん罪弁護士」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開する異色のコンテンツ論。
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第46回2019.03.18誤解や偏見を招く内容のほとんどは「取材不足」が原因なぜ、取材をしなければならないのか?――。マスコミ業界の人間として日々仕事をしていると、こんな疑問を抱く人はそう多くないかもしれない。しかし、情報があふれるなか、改めて考える必要があるのではないだろうか。
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第45回2019.03.04社内の企画会議で“斬新なアイデア”が生まれない合理的な理由会議という場で度肝を抜くほどの突き抜ける案が導き出された場面をあまり見かけない。それは一体、なぜなのか。その理由は「メンバーの同質性」にあった。
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第44回2019.02.18良いアイデアは「制約」と「必然性」から生まれるどうしたら良いアイデア(企画や演出)が生まれるのか? 私は自らの番組制作の経験上、大きく分けて二つの要素が大切だと考えている。
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第43回2019.02.04分かりやすさ至上主義の弊害「分かっても大して面白くない現象」テレビ業界では「分かりやすさ」を過剰に追求した結果なのか、不思議な現象が起きている。それは「分かったところで大して面白くない」とでもいうべき現象だ。
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第42回2019.01.21ドキュメンタリーで事前に「構成」を練るのは“悪”なのか?ドキュメンタリーは事前に構成を練ると台本通りになり、予定調和に陥る。こう捉えている業界人は少なくない。しかし、こうした見立ては本当に正しいのだろうか。
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第41回2019.01.07名作コンテンツに共通する「三幕構成」の知られざる本質とは?映画やドラマ、小説やマンガなどあらゆるジャンルの名作コンテンツには「三幕構成」という共通する構造がある。また、三つの幕の作品全体に占める割合はほぼ「1:2:1」となる。
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第40回2018.12.25プロなら「思い」より「技術論」を語れ!「番組を見て、ただ『面白かった』と言うヤツなんてプロじゃない! やたらと『番組は、作り手の“思い”が大事だ』なんて言うヤツもニセモノ」。大先輩の発言の真意とは?
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第39回2018.12.10ドキュメンタリー業界の“密着信仰”に違和感テレビ番組制作者の多くが「密着すれば人間が描ける、何かが起きる」と捉えている。しかし、果たしてそれは本当だろうか?
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第38回2018.11.26ドキュメンタリーにも必ず「演出」はある恋人への“サプライズ演出” など一般の人も日常生活の中でよく行っている「演出」。相手の反応を予測しながら、ある状況を意図的に設定し、準備を念入りにして行うものだ。つまり、「演出」とは“状況設定”なのだ。
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第37回2018.11.12業界人の間でも根深い「ドキュメンタリー=ありのまま」幻想ありのままの現実を捉えるのがドキュメンタリーと言われても違和感を覚えないかもしれないが、ドキュメンタリーであっても作り手の作為が介在しないことはあり得ない。
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第36回2018.10.29「クリエイティブな人材」を育むには? 意外な人間心理いい仕事をするには、何より「モチベーション(動機付け)」が重要だ。では、どんな動機付けが、クリエイティブな仕事や人材を育むのだろうか? その答えは意外な人間心理にあった。
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第35回2018.10.15「クリエイティブとは何か?」黒澤明と大島渚の金言ビジネスにおいて“クリエイティブ”な発想や仕事が求められる時代になった。しかし、クリエイティブな仕事とはどういうものなのか? 黒澤明、大島渚という2人の巨匠の言葉に耳を傾ければ、答えは自ずと浮かんでくる。
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第34回2018.10.01できる仕事人に共通する「地味にスゴイ取材力」とは?日本で活動しているCIAの仕事の大半は、雑誌や新聞、テレビなど巷にあふれるメディア情報の収集と分析――。この都市伝説には“いい仕事をするためのヒント”が隠されている。
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第33回2018.09.03名作『たけし誕生』制作秘話とTVクリエイターの矜恃芸人・ビートたけしが師匠である“伝説の浅草芸人”深見千三郎との出会いと別れをテレビで初独白したドキュメンタリー『たけし誕生~オイラの師匠と浅草~』。実は実現するまでには3年以上もかかった作品だ。
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第32回2018.08.21プロも誤解しがちな「人物ドキュメンタリーの醍醐味」「被写体との関係性ができていたね」。人物に肉迫したドキュメンタリーについてテレビ業界の人間がよく言う台詞だ。しかし、私は「関係性を築く」という慣用句に違和感がある。
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第31回2018.08.06チャック・ノリスが共産主義を倒した? 東欧の衝撃作Netflixでのみ見ることができるルーマニアのドキュメンタリー映画『チャック・ノリスvs.共産主義』。「夏休み中に何か思い出に残るような一作を見たい!」というならぜひ、この作品をオススメしたい。
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第30回2018.07.23笑いが劇場を包むゾンビ映画『カメラを止めるな!』低予算でキャストもほぼ無名ながら、都内の上映館では連日満席が続いているゾンビ映画『カメラを止めるな!』。この話題作を、ドキュメンタリー番組『ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」』などを手掛けたNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が分析。
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第29回2018.07.02本棚は語る リアル「99.9」今村核弁護士の雑食主義有罪率99.9%という日本の刑事裁判。無罪は約1000件に1件という中で、今村核弁護士はこれまでに無罪判決を14件勝ち取ってきた。彼の本棚からは、その並外れた実績を生んだ地道な努力が垣間見える。
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第28回2018.06.18テレビ界に広がる安易な「ブリッジ演出」に物申す最近の日本のテレビ番組は、「構成がダメになっているなぁ」と感じることが多い。それは特に「ブリッジ演出」の多用に表れていると思う。
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第27回2018.06.04“伝える技術”を高める付箋紙活用術「ペタペタ」世の中にはなぜ、同じ内容でも、つまらなく話す人と時間を忘れるほど面白く語る人がいるのか? そこには話しぶりの軽妙さだけでなく、「どんな情報をどういう順番で示すか」という“構成力”(ストーリーテリング)の違いが存在する。
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第26回2018.05.21あらゆるコンテンツの本質は「人間とは何か?」の探求なぜ人は毎日、ニュースを見るのか? 表面的には「世の中の動きを知るため」だが、その世の中を動かしているのは紛れもなく人間だ。
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第25回2018.05.07『レディ・プレイヤー1』に込めたスピルバーグの真意スティーブン・スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』の狙いとは? 『ブレイブ 勇敢なる者「硬骨エンジニア」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が解き明かす。
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第24回2018.04.16テレビVS動画配信、将来を占うのは「著作権」?米国発の動画配信サービスが制作者の著作権を尊重して良質なコンテンツを生み出し始めるなか、日本のテレビ業界では未だに番組の著作権を放送局がほぼ独占している。欧米先進国に比べて異例の状態が続く日本。果たして“黒船”動画配信勢力に対抗できるのか?
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第23回2018.04.02「99.9」で描かれない えん罪弁護士の過酷な現実高視聴率を叩き出したドラマ『99.9 -刑事専門弁護士- SEASON II』(TBS系)は“有罪率99.9%”という日本の刑事司法で、逆転不可能と思われる刑事事件に挑む弁護士たちの奮闘を描いている。しかし、現実に“有罪率99.9%”に挑み続けたら、その弁護士は果たしてどうなるのか。その過酷な現実とは?
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第22回2018.03.19フジ復活の兆し 異彩放つ『Mr.サンデー』の熱量フジテレビの凋落ぶりが伝えられているなか、復活の兆しは意外にも情報系番組にあるのかもしれない。そう思わされたのは、毎週日曜22時に放送している『Mr.サンデー』の独自特集に作り手の尋常ならざる“熱量”を感じたからだ。
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第21回2018.03.05「今どきのおじさんは…」ITを巡る世代間ギャップ50歳前後のおじさんと40歳以下の我々が分かり合えない原因は、ある時期を境にした“世代間ギャップ”にあるのではないか。その出来事とは?
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第20回2018.02.19笑えるドーピング映画? 五輪中に必見の『イカロス』年に1本は、無理をしてでも他人に薦めたくなる傑作に出会うことがある。Netflixオリジナルドキュメンタリー『イカロス』(2017年・米国)は、まさにそういう作品だった。これを見て衝撃を受けた私は、居ても立ってもいられず、懇意にしている各局のテレビ制作者に「絶対に見るべき!」と押しつけがましいメールを送りつけた。まずは、『イカロス』を見た彼らの反応を紹介したい。
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第19回2018.01.29“ラーメン狂”映画が問う 「日本人とは何者か?」「中華蕎麦 とみ田」の店主・富田治への密着取材を中心に、日本が世界に誇るラーメン文化の奥深さに迫ったドキュメンタリー映画『ラーメンヘッズ』。これを見れば、“日本人”が分かる?
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第18回2018.01.15過熱する相撲報道 なぜ国民の関心が途切れないのか年末から年始にかけて日本のテレビで最も長い時間を割いて報じられた、大相撲に関する問題。この件がこれほど長く取り上げられる理由はいったい何なのか。
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第17回2017.12.25「社員教育」が抱える矛盾 “独学”こそが成長を生む「人材をどう磨くか?」という社員教育の問題は一筋縄ではいかない。『ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」「硬骨エンジニア」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏の“異端な新人時代”とは?
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第16回2017.12.11これからのテレビは「Googleの逆を行け」!?「これからのテレビの可能性について、どう思いますか?」――。考えあぐねていた末、TVクリエイターが至った答えとは?
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第15回2017.11.27“オワコン”といわれるテレビは、なぜ終わらない?「テレビなんてオワコン(終ったコンテンツ)」といわれて久しい。ネットニュースには毎日のように“テレビの斜陽”を伝える記事が躍る。それでもなぜ“オワコン”と揶揄(やゆ)されるテレビは終わらないのか。
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第14回2017.11.13フラッシュメモリ発明者 舛岡氏の驚愕マネジメント力スマートフォンから家電まで、あらゆる機器に組み込まれているフラッシュメモリを発明し、開発を推し進めたのが元・東芝社員の舛岡富士雄であることをどれほどの人がご存じだろうか?
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第13回2017.10.30「ディレクター」と「プロデューサー」の違いって?テレビ業界で働いていて、一般の人に「よく理解されていないなあ……」と感じるのが、「ディレクター」と「プロデューサー」という“職種の違い”だ。本来、この2つの職種は、具体的な業務や立場が異なる。だからこそ区別されているのだが、近年、その境界があいまいになっているように感じている。
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第12回2017.10.16あらゆるコンテンツは「構成」から逃れられないかつてNHKでは、ディレクターはなぜか「構成」という肩書きで表記されていたのをご存じだろうか? 例えば、『NHK特集』や初期の『NHKスペシャル』を担当したディレクター名は、必ず「構成」という肩書きだったのである。
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第11回2017.09.25“ノーナレ”ドキュメンタリーが世界で評価される理由最近、NHKでナレーションのない演出をウリにしたドキュメンタリー番組がよく作られているのをご存じだろうか。なぜ、あえて“ノーナレーション”を強調するのか?
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第10回2017.09.04宮崎駿&ピクサー作品に秘められたクオリティーの真髄『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード」「えん罪弁護士」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論の第10回。今回は前回に引き続き「クオリティー」について。
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第9回2017.08.21ジブリ、テレ東番組から考える「クオリティーって何?」『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード」「えん罪弁護士」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論。コンテンツを語る際によく使われる「クオリティー」について。
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第8回2017.07.31ビジネスにも役立つ取材の基本! 「合わせ鏡」論『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード」「えん罪弁護士」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論の第7回。今回は「取材の基本となる『合わせ鏡』論」です。
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第7回2017.07.17企画は思いつくもの? いや“組み合わせ”で生まれる『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード」「えん罪弁護士」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論の第7回。今回は「企画やアイデアの生み出し方」について。