書類を作る際には、その役目を明確にしておかなければならない(図1)。これまでに筆者が開催したプレゼンのセミナーの経験では、ほとんどの人がプレゼンのスライドと企画書を混同しているのが実情だった。
よく「PowerPointで作ればスライド」「Wordで作ると企画書」と言う人が多いのだが、これも間違っている。確かにWordでは企画書を作ることができるし、PowerPointではスライドを作る。だが、PowerPointでも企画書を作れてしまうのが混乱の一因だ。
そもそも、企画書とは「企画を伝えるための書類」だ。一般的には、伝えるべき内容がすべてテキストで記載されている。つまり、読むだけで企画の内容が理解できなければならない。書類そのものが重要な意味を持っているのだ。
ところが、プレゼンで使うスライドは、口頭での説明を補助するためにある。だから、スライドを見ただけで企画の内容すべてが理解できなくてもよい。プレゼンの主役は、あくまでも口頭での説明だ。