ゲーム専用機とソフトの両方を手がけ続ける
──家庭用ゲーム機「Wii」を開発するときは、居間のテレビの横に置いてもらうために「お母さんに嫌がられないゲーム機」というのが方針の1つだったと聞きました。「NX」の場合、このような方針はありますか。
高橋氏 詳細はまだ話せないのですが、「ゲーム好きな方にも、お母さんにも、嫌がられない」を目指しています。ゲームの経験値の高いお客様にも、ゲームであまり遊んだことのないお客様にも、ともに楽しんでもらえるゲーム機を世に出したいと考えています。
──アナリストの中には、任天堂はハードの開発を諦めて、ゲームアプリやゲームソフトの開発に専念するほうが利益に貢献するのではとおっしゃる方もいますが、ゲーム専用機で新たな遊びを提供するというこれまでの姿勢は揺るぎないと考えてよいですか。
高橋氏 揺るぎありません。任天堂は、ゲーム専用機とゲームソフトの両方を手がけ続けます。もちろん、スマートデバイス向けアプリやテーマパークのアトラクションなども提供していきますが、これはゲーム専用機では実現が難しく、スマートデバイスやアトラクションでないとできないものを出すということです。
まずどんな内容の遊びを提供するかアイデアを考え、それをどうやって実現するか検討する。その結果、スマートデバイス向けアプリで提供するのがそのアイデアの特色を最も生かせるとなれば、アプリの形で提供するということになるでしょう。
──アイデアの特色を生かそうとしたら、生のライブアトラクションになったという可能性もあるのですか。
高橋氏 もちろん、ありえます。あるいはデバイスの特徴を考えて、遊びというかソフトの内容を考えることもありえます。例えば、任天堂はスマートフォン向けアプリと言わずスマートデバイス向けアプリというようにしていますが、これはタブレット端末も意識しているからです。米国の小さなお子様は、ゲーム専用機やスマートフォンよりも前にタブレット端末に触るのが一般的なので、ここに向けて何かを作るというのは考えたいですね。