2016年3月期(2015年度)は大幅な増収増益となったスクウェア・エニックス。その原動力の1つがスマートデバイス向けのゲームタイトルだ。前年比55.6%増の688億円を稼ぎ出し、大黒柱へと成長した。また、新規IP(知的財産)タイトルにもチャレンジし、手応えを得ており、大きく躍進した年だった。2016年はドラゴンクエストが30周年、翌17年にはファイナルファンタジーも30周年を迎える。主力タイトルの持続的な成長に加えて、新しいタイトルの登場でさらなる攻めの姿勢を見せる同社代表取締役の松田洋祐氏に今後の展望を聞いた。 (聞き手/渡辺一正、文/上原太郎、写真/稲垣純也)

松田 洋祐(まつだ・ようすけ)
松田 洋祐(まつだ・ようすけ)
スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長
1963年生まれ。2001年にスクウェア・エニックス(旧スクウェア)に入社後、同社執行役員・取締役、タイトー取締役、スクウェア・エニックス・ホールディングス取締役などを経て、2013年から現職
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2015年はスマートデバイス向けゲームにかなりの成果

――まずは、2015年度を振り返っていかがでしょうか。

松田洋祐社長(以下、松田氏): おかげさまで、主にスマートデバイス向けのゲームでかなりの成果を挙げられていると思います。国内だけではなく海外も含めて、どのように伸ばしていくかという点では、まだまだ準備が行き届いていない面もありますが。

――最も成長したタイトルはなんですか?

松田氏: 2015年6月にリリースした『MOBIUS FINAL FANTASY』(以下、『MOBIUS FF』)は、非常に好調ですね。特にスマートフォンで、3DCGを使ったハイエンドなゲームが受け入れられたのは意味があると思います。『ファイナルファンタジー(以下、FF)』のチームがスマートフォン向けのゲームを作るのであれば、普通のものを作っても面白くないだろうというところから始まったプロジェクトなので、開発に時間がかかりました。十分なクオリティーの作品を出せたということから、皆さまからご評価いただけたのだと思います。

 また、『星のドラゴンクエスト』は勢いよく立ち上がりました。エイリムさんに開発していただいた『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(以下、『FF BRAVE』)も好調ですね。ハイエンド系の『MOBIUS FF』から、2Dの『FF BRAVE』まで、FFシリーズだけでも幅広い品ぞろえになりました。

 また、2016年1月に発売した『グリムノーツ』は最近伸びています。全く新規のIP(知的財産)のゲームタイトルですが、知名度がなくてもそれなりの成果を出せた。スマートフォンゲーム市場は成熟して、人気のあるIPに頼らなければ成功は非常に厳しいといわれる中で、ノーブランドで結果を出せたというのは大きかったと思っています。

――『グリムノーツ』が成功した理由をどう見ておられますか?

松田氏: ゲームの設計はもちろん、マーケティングなども含めて、コツコツ丁寧にやったことが成功につながっていると思います。

『MOBIUS FINAL FANTASY』<br>対応: iOS/Android<br>配信日:配信中<br>価格:アイテム課金型(基本プレー無料)<br>(C)2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
『MOBIUS FINAL FANTASY』
対応: iOS/Android
配信日:配信中
価格:アイテム課金型(基本プレー無料)
(C)2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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『星のドラゴンクエスト』<br>対応:iPhone/Android<br>配信日:配信中<br>価格:アイテム課金型(基本プレー無料)<br>(C) 2015, 2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
『星のドラゴンクエスト』
対応:iPhone/Android
配信日:配信中
価格:アイテム課金型(基本プレー無料)
(C) 2015, 2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
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『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』<br>対応:iOS/Android<br>配信日:配信中<br>価格:アイテム課金型(基本プレー無料)<br>(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by gumi Inc.<br>Illustration/ (C)2014,2015 YOSHITAKA AMANO
『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』
対応:iOS/Android
配信日:配信中
価格:アイテム課金型(基本プレー無料)
(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by gumi Inc.
Illustration/ (C)2014,2015 YOSHITAKA AMANO
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『グリムノーツ』<br>対応 : iPhone/Android<br>配信日 :配信中<br>価格 : アイテム課金型(基本プレー無料)<br>(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
『グリムノーツ』
対応 : iPhone/Android
配信日 :配信中
価格 : アイテム課金型(基本プレー無料)
(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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ジャパニーズRPGは一つのゲームの“様式”

――家庭用ゲーム機向けのタイトルはいかがでしょう。海外は好調だが、国内はそうでもなかったというお話も聞きますが。

松田氏: いやいや、そういうわけではないです。2015年2月にリリースした、『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』は、2016年度に入っても売れています。それに、2016年1月に発売した『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』(以下、『DQビルダーズ』)もヒットしています。

 『ドラゴンクエスト』(以下、『ドラクエ』)は、ドラクエらしさを踏襲しつつもいろいろな遊び方を提供して、ブランドを維持拡大してきたという歴史があります。今回の『DQビルダーズ』も、非常に斬新で、しかも長く遊べるという意味で、ブランドの新境地を切り開いたタイトルだと思います。

 ほかにも、オーソドックスなRPG(ロールプレイングゲーム)をもう一度見直そうという考えで、「Tokyo RPG Factory」というスタジオを立ち上げました。そのスタジオが作ったのが、2016年2月に発売した『いけにえと雪のセツナ』(以下、『セツナ』)です。

 発売後、多くのご意見をいただきましたが、もともとそれくらい言われるぐらいのゲームのほうがいいんじゃないかと割り切って作った作品です。RPGというジャンルに関しては、誰しもが一家言を持っていらっしゃるくらい日本のお客様は目が肥えています。厳しいお言葉をいただいたり、お叱りの中でも激励をいただいたりと、大きな反響がありました。

 『セツナ』のようにプレーヤーと対戦相手が決まった順番で行動していくターンベースのRPGは「JRPG(ジャパニーズRPG)」とも言われ、ゲームの一つの“型”です。音楽にも様式があるのと同じように、様式が確立されているJRPGは決して古くはないと前々から感じていたんです。今回、大きな反響をいただいたことで、改めてこれは意味があるなと思います。お客様も待っていただいているようですし、次作も頑張って作ろうかなと。そういった新しい発見がありました。

――JRPGのマーケットは国内だけですか。

松田氏: 海外からの反応も多いですよ。先日も、海外の出張先で「『セツナ』を出してください」と声をかけられました。実際、『I AM SETSUNA』というタイトル名で、2016年7月に英語版をリリースする予定です。

『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』<br>対応 :PlayStation4/PlayStation3<br>発売日 :発売中<br>価格 :PlayStation4版7,800円+税/PlayStation3版 6,800円+税<br>(C) 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』
対応 :PlayStation4/PlayStation3
発売日 :発売中
価格 :PlayStation4版7,800円+税/PlayStation3版 6,800円+税
(C) 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
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『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』<br>対応:PlayStation4/PlayStation3/PlayStationVita<br>発売日:発売中<br>価格:PlayStation4版 7,800円+税/PlayStation3版6,800円+税/PlayStationVita版5,980円+税<br>(C) 2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』
対応:PlayStation4/PlayStation3/PlayStationVita
発売日:発売中
価格:PlayStation4版 7,800円+税/PlayStation3版6,800円+税/PlayStationVita版5,980円+税
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『いけにえと雪のセツナ』<br>対応:PlayStation4/PlayStationVita<br>発売日:発売中<br>価格:PlayStation4版 4,800円+税/PlayStationVita版 4,800円+税<br>(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Tokyo RPG Factory
『いけにえと雪のセツナ』
対応:PlayStation4/PlayStationVita
発売日:発売中
価格:PlayStation4版 4,800円+税/PlayStationVita版 4,800円+税
(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Tokyo RPG Factory
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メキシコやブラジルの声優のセリフを入れて地域密着型を目指す

――今年の前期に海外で売れた作品は?

松田氏: 新作タイトルとしては、『Rise of the Tomb Raider』と『ジャストコーズ 3』を出しました。特に『Rise of the Tomb Raider』は、お客様からの評価も高く、よく売れています。

 当初はXbox OneとXbox 360で出し、その後Windows版も出して、数字はまだ伸びています。アドベンチャーゲームの中でもクオリティーが非常に高いと思っていますので、成功だったと思います。

――『ジャストコーズ3』も、よかったですか?

松田氏: そうですね。技術的なところで、皆様に若干ご迷惑をかけた点もあったのですが、ゲームの中をプレーヤーが自由に動き回れるオープンワールドで『ジャストコーズ』らしいプレーができると評判になり、たくさん遊んでいただきました。こちらも、まだセールスの伸びが続いています。

――売れる国や地域に、差はありますか?

松田氏: 『ジャストコーズ3』は、ラテン系の地域を強く意識しました。地中海を舞台に、リコ・ロドリゲスというラテン系の主人公が出てくるゲームなんです。中南米地域、特にブラジルやメキシコでは急速にゲームマーケットが立ち上がっており、家庭用ゲーム機の需要が高い。そうしたニーズを受けて、『ジャストコーズ3』ではポルトガル語やメキシカンスペイン語など、ラテン系の言語のボイスオーバー(音量を抑えた原語に翻訳された音声を重ねる手法)も入れることに取り組みました。

――確か13カ国語でしたか。

松田氏: そうですね。欧米系以外の言語のボイスオーバーを入れるかどうかは非常に重要でした。メキシコでもブラジルでも、現地で人気のある声優さんにお願いしました。

――中南米ではどこのプラットフォームが強いのですか?

松田氏: PS4もXbox Oneも強いと思います。両社とも力を入れて販売されていますね。欧米や日本に比べるとまだ小さい市場ですが、すごく重要な地域になると思います。ただ関税の問題もあって、ハードウエア自体が非常に高額なんですよね。

『Rise of the Tomb Raider』<br>対応:XboxOne、Windows、PlayStation4<br>発売日:XboxOne、Windows版 発売中/PlayStation4版 2016年ホリデーシーズン(北米・欧州)<br>(C)SQUARE ENIX, LTD, All Rights Reserved.
『Rise of the Tomb Raider』
対応:XboxOne、Windows、PlayStation4
発売日:XboxOne、Windows版 発売中/PlayStation4版 2016年ホリデーシーズン(北米・欧州)
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『ジャストコーズ 3』<br>対応:PlayStation4/Xbox One/Windows<br>発売日:発売中<br>価格:パッケージ版 7,800円+税/ダウンロード版 6,800円+税<br>(C)SQUARE ENIX, LTD, All Rights Reserved.
『ジャストコーズ 3』
対応:PlayStation4/Xbox One/Windows
発売日:発売中
価格:パッケージ版 7,800円+税/ダウンロード版 6,800円+税
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定額の有料アプリゲームに注目

スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長の松田洋佑氏
スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長の松田洋佑氏
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――その他の地域に対する戦略はいかがでしょうか。

松田氏: 中国ではスマートフォン事業に加え、マンガの配信事業を始めました。今後の伸びに期待しています。そのほか、インドへのアプローチ方法など、アジア地域に関してはどのように攻めればいいのか検討している最中です。米国市場に対しては、スマートフォンなどのモバイル事業の拡大を期待しています。

――米国のモバイル市場は期待できるのでしょうか。スマートフォン向けゲームの売上ランキングのトップ10はある程度固定化されていて、これを切り崩すのは相当大変なのではないですか。

松田氏: そうですね。国内外問わず、人気ソフトと同じフリー・トゥ・プレーの土俵で戦うという方法もありますが、ほかのやり方があってもがいいかなと思うんですよね。特に注目しているのは、有料ゲーム(定額の事前支払)です。例えばターンベースRPGは、売り切りの有料ゲームの販売方法に合っているのでは考えています。電子書籍を買って読むような感覚で、ずっと遊んでいただけるのではないでしょうか。そう考えると、手軽に買って遊べるスマートフォンとの相性がよいのです。

 2016年2月にスマホアプリ版『FFIX』を出しましたけれども、好評をいただいています。こうした反応から見ても、スマートフォンが携帯ゲーム機として市民権を得てきていると思います。その市場に向けて、バリューのある作品を有料で提供するというのは、当社のやり方にも合っている。新作も含めて力を入れてやっていきたいですね。

――2016年は『ドラクエ』の30周年など、いくつかトピックスもありますね。『FF』も新しい展開に注目が集まっています。

松田氏: 『ドラクエ』のように30周年まで続けられるシリーズは、そうそうあるものではありません。30周年は大きな区切りなので、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』というミュージカルやリアル脱出ゲーム、ミュージアムといったリアルイベントを開催したり、さまざまな企業とコラボした関連商品を出したりと、力を入れています。昔からのお客様に楽しんでもらいつつ、新しいお客様に知ってもらうきっかけにもなると考えています。『ドラクエ』というシリーズが、次の10年、20年と続いていく足掛かりになればいいなと考えています。

――『FF』シリーズが2017年に30周年を迎えるあたり、今年は『ファイナルファンタジーXV』の映画化も発表されました。2001年に映画化されたときは、満足な成果を得たとは言いがたいと思うのですが。

松田氏: 2001年の作品に対してはそういうイメージがあるかもしれませんね。今は、当時より圧倒的にCG制作コストは下がっていますし、今の時代、フルCGムービーは普通にありますから、フルCG映画だからといって驚く話ではないんですよね。

 2016年はハイエンドゲーム分野では、『FFXV』の出荷が控えていますし、あとは海外の大型タイトルを含めて開発も続けています。新ブランドのタイトルもまだまだ出てきますので、これまでの集大成であり、今後の方向性を示すような非常に重要な年になると思っています。

『ファイナルファンタジーXV』<br>対応:PlayStation4/Xbox One<br>発売日:2016年9月30日(金)予定<br>価格:8,800円+税<br>(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. MAIN CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
『ファイナルファンタジーXV』
対応:PlayStation4/Xbox One
発売日:2016年9月30日(金)予定
価格:8,800円+税
(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. MAIN CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
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VRが一番生きるのは、スクウェア・エニックスが得意なハイエンド分野

――2016年の業界動向はどう見ていらっしゃいますか?

松田氏: 旬なトピックスとしてよくVRが挙げられますが、これが一番生きるのはハイエンドの世界なので、我々の得意分野だと思います。今はいろいろなサービスが立ち上がってきた段階なので、限定的になるかもしれませんが、VR関連の発信をしていきたいと思っています。

――VRで注目しているプラットフォームはありますか。

松田氏: 今のところコンソール、PC、業務用のすべてを対象に考えています。業務用と言っても、必ずしもゲームセンターに限らないのですが、アミューズメント施設向けを念頭において、現在開発中です。家庭用VRは企画段階ですが、いろいろと進めています。

 VRは、ゲームだけでなくいろいろな使われ方をすると思うんです。新規参入もあるでしょうし、少しずつ積み重なってVRは広まっていくでしょう。

 おそらく数年後には、家庭用ゲーム機などに通常モードに加えて、“VRモード”が標準実装されているのではないでしょうか。ちょうど、シングルプレーのゲームがオンラインでつながることで、マルチプレーモードが加わったように。すべてのゲームをVR化するのは非現実的ですが、徐々にVRモードが当たり前になってくると思います。

――ほかに注目されている動きはありますか。

松田氏: 既にお話しましたが、スマートフォン向けの有料ゲームには、コンシューマー機と並ぶもう一つのマーケットと認識して力を入れていきたい。シングルプレーのがっちりとしたゲームをスマートフォンでも楽しんでいただくという戦略です。VRと並ぶもう一つテーマですね。また、スマートフォンにゲームの出口が広がることにより、例えばファイナンスの仕組みにも変化があるかもしれません。

――ゲームタイトルも映画のような製作委員会方式になるということでしょうか。

松田氏: ファイナンスに関しては、ゲーム業界は映画やアニメなどの他業界に比べて、まだまだ導入の余地がありますので、引き続き研究が必要だと思いますね。

――なぜこれまでできなかったんでしょうか。

松田氏: 一つは売り方の問題です。例えば、映画には興行の後に、DVD化があったりテレビ対する放送権料があったりと収益化できる窓口がたくさんあるため、投資を回収する確度を高められる。ところがゲームの場合は、極論すれば、伝統的に売って終わりになっていた。そうなると、投資する側にしても回収リスクが高まります。

 だから、収益の窓口が増えることは、大きな意味があると思います。投資家と話をしてみると、映画などに比べて、ゲームはまだまだ知られていないと感じることが多いですね。ゲーム産業全体のモデルが大きくなって、投資家の認識にも変化が現れて、ファイナンスの仕組みが変わってくるのはいいことだと思います。

スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長の松田洋佑氏
スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長の松田洋佑氏
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