中国市場向けビジネスが加速中

――国内のCS事業はいかがでしょうか。

浅沼氏: ビジネスで見ると、若干厳しいという部分はありました。良い結果を残したといえるトピックがちょっと足りなかった、というのが国内CS事業の反省点で、もう少し頑張らなければならないですね。

 一方でゲーム開発費が高騰している現在、日本市場単独の採算性で勝負するのは、年々ハードルが上がりつつあります。また日本の漫画、アニメーションといったカルチャーはますます海外での評価が上がり、ビジネスチャンスを広げている状況となっています。ですから、世界的に強いアニメーションや漫画原作をゲーム化して、海外市場でより広く大きくビジネスするという動きに自然と向かっています。

 例えば『ソードアート・オンライン』シリーズは、アジアだけではなく北米市場でも良い評価をいただき好調です。また、『NARUTO』などは、ビジネス全体に占める日本市場の割合よりも海外での販売本数が圧倒的に多くなっており、欧米とアジアその他の地域で好調です。今後、グローバル戦略を強化していくと、日本市場が占める位置が海外と逆転するタイトルも増えてくるのではないかと予想します。

――ネットワーク系ゲームタイトルのお話をお聞かせください。これは国内外とも伸びましたか?

浅沼氏: 海外は特に中国市場が好調でした。現地法人のバンダイナムコ上海を設立して、もうすぐ1年がたつのですが、現地のパートナー企業と連携しながら展開している『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や、ワンピースの『航海王 啓航』、NARUTOの『火影忍者MOBILE』のネイティブアプリのビジネスがいいですね。

 それぞれが中国市場のアプリランキングで1位を取りました。中国では『NARUTO』が人気で、かなり好調に推移しています。全く恐るべき中国市場です(笑)。中国市場はまだまだポテンシャルがありますし、中国への取り組みは間違っていなかったという自信が湧いてきました。

 一方で、国内では『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』も、大きなビジネスになっています。全体で見ると国内、海外のバランスが徐々に良くなってきている感じがしますね。

――これまでは中国市場に対する難しさを強調されることが多かったと思います。

浅沼氏: 中国市場でヒットを飛ばす以前の問題があるのは事実ですね。我々も、これまでいろいろな失敗を積み重ねてきました。ある程度、綿密な計画をして取り組むのですが、最後までたどり着くのが難しい。リスク管理はしていますが、やってみないと分からないところも多い。実行してみて、機敏に修正をしていくことが重要なのかもしれません。

――中国で受けるものは日本とは違いますか?

浅沼氏: 違いますね。中国のスマホゲームユーザーは、自分の実力をアピールできるような投資要素が好みで、コレクション性の高い要素を好む日本のユーザーとは異なると思います。こうした趣味、嗜好の違いについても、良い現地パートナー企業を見つけて、ビジネスの展開について議論することで認識できます。

――現地パートナーを信じて一歩踏み出すというBNEの姿勢は、1、2年前と比べて変化しましたか?

浅沼氏: 現地パートナーとの緻密な連携を取るためには、速やかに中国現地法人を作ることが必要でした。また、著作権を無視したいわゆる海賊版問題に対しても、中国国内から直接に抗議するというミッションもありました。

 そのため、バンダイナムコ上海は日本からの出向者は若干名、あとは現地雇用のスタッフでスピーディーに立ち上げつつ、強いキャラクターIPでゲームを作ってきたこれまでのキャリアがアドバンテージとなって、短期間に突き進むことができたんだと思います。

『ソードアート・オンライン』<br>(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOⅡ Project<br>(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
『ソードアート・オンライン』
(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOⅡ Project
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