『妖怪ウォッチ3』では、NFCチップを使って玩具と店頭を結びつける

――7月16日に発売される『妖怪ウォッチ3』への期待を改めてお聞かせください。

日野氏: 今年は『妖怪ウォッチ』を徹底的にやっていきます。「LEVEL5 VISION 2016」では、新作や新情報を発表しますが、それは今年の末から来年にかけての新構想であって、今年のビジネスの軸は『妖怪ウォッチ3』だと思います。

――『妖怪ウォッチ3』の注目ポイントはどういったとことでしょうか?

日野氏: 冒険の舞台が前作までの「さくらニュータウン」から、USAの「セントピーナッツバーグ」という『トムソーヤの冒険』のような世界観をもった場所に移るので、すべてマップが新しくなっています。RPGの新作を出す以上、冒険のフィールドをこれまでとは全く異なるようにしないと、お客さんに対して失礼という思いがあるんですよね。

 もちろん、妖怪のデータの一部を前作から引き継いでいる部分もあるんですが、それだけでは作りたくはなかった。なので、ROM容量も『妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打』の2倍になっています。

――『妖怪ウォッチ3』の新機軸に関してはいかがですか?

日野氏: 今回からデータを読み書きできるNFCチップが入った「妖怪ドリームメダル」が登場します。NFCチップの通信機能を介して、『妖怪ウォッチ3』ほか、新型玩具の「DX妖怪ウォッチ ドリーム」や店頭筐体の「妖怪ドリームルーレット」で「妖気」というオーラのようなデータの受け取りができるようになるんです。

 例えば、ショッピングモールに置かれている妖怪ドリームルーレットで、“炎のオーラ”を妖怪ドリームメダルにチャージして、それを『妖怪ウォッチ3』で遊ぶといろいろと起きるみたいな。妖怪メダルをいろんなところに持っていくとそれまでとは違う体験ができるという、新しい遊びを作っています。これも前に成功した、ひとつのメディアをやったあとに他のメディアに行きたくなるみたいな工夫のひとつですね。今回も大きなブームを起こせると期待しています。

――クロスメディアという意味では出発点の『イナズマイレブン』から約9年が経過しています。

日野氏: 長くクロスメディアをやってきて、『妖怪ウォッチ』で大ブレイクできたことは非常にうれしく思っています。社内外のクリエイターの連携方法とか、どんなタイトルが向いているのかとか、クロスメディアのコツを少しずつつかんでいきながら、偶然な部分も作用して。社内はもちろんですけど、社外の人たちとクリエイター同士がうまく連携できていると思います。「妖怪ドリームメダル」みたいな取り組みは、それぞれのクリエイターが相当深く協力し合わないと実現しないんです。

――改めてクロスメディアの面白さとは?

日野氏: 違う世界のいろいろな人たちと、一緒にモノづくりを考えられるということですね。それは本当にすごく楽しい。クリエイターは分野ごとに考えていることがみんな違いますからね。昔は大変だと思うこともあったのですが、いまは楽しいと思うことのほうが多いですよね。新しい発見も、学ぶことがいっぱいあります。ただね、やりすぎで時間がないんですけどね(笑)。

レベルファイブ、今年は妖怪ウォッチの集大成に【TGS2016】(画像)
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レベルファイブ、今年は妖怪ウォッチの集大成に【TGS2016】(画像)
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2016年7月16日に発売する『妖怪ウォッチ3 スシ/テンプラ』
(C) LEVEL-5 Inc.