7月発売の『妖怪ウォッチ3』でブーム再燃を狙う

――昨年12月19日に公開した『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』が、週末観客動員数で(興行通信社調べ)で同週公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を上回り、首位になったことが大いに話題になりましたね。

日野晃博社長(以下、日野氏): 社内でも軽いお祭りになりました(笑)。僕らも全く想像していなかったので。むしろ、どのくらい差をつけられるだろうかとか、ある程度持ちこたえて欲しいとの思いはありましたが、勝って胸を張れるイメージは持っていなかったですね。

――しかも2週目も1位でした。

日野氏: 売り上げや動員がどうこうということよりも、それが世間の話題になったということが大きかったですね。動員数で2週続けて1位を取っても意味があるのは興行成績と言われてしまえばそれまでなのですが。でもファン以外の方たちも含めて、「日本人でも頑張れる」という象徴みたいに見てくださって、自分たちのことのように喜んでくれたり、誇るべき結果だと盛り上げてくれました。

――日野さん自身は、劇場に足を運ばれるんですか?

日野氏: 自分でお金を払って何回も見に行っています。いとこの子どもたちを連れて行ったりとか。ストーリーはもちろん全部知っているから、みんなの反応を見に行くんですよね。お客さんがどこで笑って、どこでつまんなそうにするのか、ちゃんと確認して次につなげたいと思っています。今回は、笑ってほしいところで、予想以上にみんな盛り上がってくれていましたね。あ、ちなみに『スター・ウォーズ』も昔からの大ファンなので、何回も見に行っちゃいましたけど(笑)。

――劇場2作目となる本作は5話のオムニバスという面白い形式でした。

日野氏: そうですね。東宝の方々も目から鱗(うろこ)だったようで、「オムニバスでこんなに面白くできるとは」と言っていただきましたね。オムニバスでも全部話はつながっていて、各話で笑って泣けるようにというコンセプトがありました。切なくて涙する部分と、笑える部分の両方を一つひとつの話に入れる形にしています。

――エピソード2の『ジバニャンの華麗なる作戦』は特に泣けました。

日野氏: 大人になったエミちゃんのストーリーですね。実は、エミちゃん関係の作品は、テレビアニメでも自分でシナリオを書いたりして、力を入れているんです(笑)。映画全体としては大人向けの要素もあるので、大人も子どもも楽しめる内容になっているはずです。ただ今後のテレビアニメの方向性としては、そろそろ『妖怪ウォッチ』の原点に戻すことも必要かなとも思っています。

――どういうことですか?

日野氏: これまでさまざまな新しいことに挑戦してきたのですが、それが一周したので、丁寧に妖怪を出して、その妖怪のちょっと泣ける話をするとか、放送が始まったころのような基本に引き戻そうかなと。

――確かに2015年は、イナホという新しい女の子の主人公が登場したり、USAピョンという新キャラクターが登場したり、攻めの姿勢が目立ちましたね。

レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏
レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏
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日野氏: USAピョンに関しては、『月刊コロコロコミック』(小学館)でも人気キャラクターになっています。『妖怪ウォッチ』のブーム自体は昨年と比べて落ち着いている部分が多少はある中、キャラクターの人気は維持できたのではないかと思っています。昨年ナンバリングタイトルは出せていませんでしたが、満を持して『妖怪ウォッチ3』を今年7月に発売するので、ゲームをきっかけにブームが再燃するかなと思っています。