『ストリートファイターV』では中東のキャラクターを追加

――『モンスターハンタークロス』以外のタイトルについてはいかがでしょうか。

辻本: 2015年に発売した主なタイトルとしては『戦国BASARA4 皇(スメラギ)』や『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(以下『大逆転裁判』)があります。またさらに前年度になりますが、2015年2月には『バイオハザード リベレーションズ2』のデジタル配信を始めました。特に『大逆転裁判』はナンバリングとは違う新たなシリーズ化を目指していますし、『バイオハザード リベレーションズ2』では章ごとに時期をずらしてネットで販売する「エピソディック配信」という手法にチャレンジしました。このように主要なシリーズタイトルをリリースした上で、新しいことにも着手した1年だったと言えます。

 これらのタイトルについても、シリーズ作品ですから販売本数についてはしっかり考えないといけないのですが、原点回帰というか、発売当初に狙っていた若いユーザー層をしっかり取り込みつつ、既存ユーザーも融合できるような工夫や努力をしていかなくてはなりません。

『戦国BASARA4 皇』
『戦国BASARA4 皇』
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『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
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『バイオハザード リベレーションズ2』
『バイオハザード リベレーションズ2』
(C) CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.
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――2016年に入って、最初の注目タイトルは2月18日に発売した『ストリートファイターV』だと思いますが、こちらもカプコンを代表する非常に息の長いタイトルですね。

辻本: 『ストリートファイターV』でも、昔からの世界観は大事にしつつ、各キャラクターを今の時代に合うようにデザインし直すなど、しっかりリニューアルを施しました。

 その中でもトピックといえるのは、今回新たに「ラシード (RASHID)」という中東のキャラクターを追加したことです。世界中にハードが広まった今、ネット環境に恵まれている国であれば、配信でさまざまなゲームを購入できます。特にPS4、Xbox Oneになってから中東でのハードの売れ行きが好調な上、ネット環境も整っているのでマーケットとしての魅力が高まっています。今や中東は欧州の主要国に匹敵するくらいの市場規模ですから。そうしたこともあって、『ストリートファイターV』では中東のキャラクターを加え、アラビア語にも対応しました。

 さらに「ストリートファイター」シリーズは前作から「e-Sports」にも非常に力を入れており、『ストリートファイターV』でもe-Sportsにマッチしたゲーム内企画を積極的に売り込んでいます。やはりそれぞれの国や地域を代表するようなキャラクターを入れ込まないと、各国で盛り上がりませんからね。キャラクターもグローバル化です。

『ストリートファイターV』
『ストリートファイターV』
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――ここ数年、辻本社長はゲームコンテンツのインターネット配信による流通の変革を強調されてきましたが、2015年はその流れが加速した印象を受けます。『ストリートファイターV』が中東マーケットまで視野に入れて攻めていけるようになったのも、インターネット配信の進展によるところが大きいのではありませんか。

辻本: 確かにインターネット配信は加速しましたね。2015年上期におけるカプコンの営業利益率を見ても分かると思いますが、在庫や返品の問題、流通マージンの問題など、すべての面で前年よりも好転しています。しかし、進展する速度はあくまでユーザー次第ですので、ある日突然ブレークスルーしてダウンロード数が跳ね上がる、ということもあり得ます。