プロレスはレスラーのタレント化で伸ばす

――御社はトレーディングカードゲーム(TCG)を主軸にしながら、スマホアプリなどのデジタルオンラインと、プロレスや音楽などのライブエンターテインメントの三本柱で事業を展開されていますが、TCG以外の成長性をどう見ていますか?

木谷: デジタルオンラインにおけるアプリ分野は市場全体では成長していくでしょうが、競争が激しすぎる世界です。我々にとってはTCGが本業であってアプリそのものは本業ではありません。ですから、パズルゲームやRPGといったゲームの“ど真ん中”にはいかず、他社との違いを打ち出せる方向にいくしかありません。

 1つは主軸であるカードゲームとリンクしたもの、もう1つはキャラクターゲーム。この2つで攻めるしかないですね。「このジャンルはあそこのメーカーだよね」といわれるジャンルを作らなければならない。

――ライブエンターテインメント分野はいかがでしょうか。

木谷: プロレスは伸びています。また、ブシロードミュージックという音楽とネットラジオとグッズの会社を作ったのですが、ここも伸びていますね。ライブの時代だと言われていますが、ライブ自体で稼ぐのは本当に難しいんです。年中ずっとやっていなきゃダメですし、パターン化していかないと収益的に厳しい。

 その意味で、プロレスは「ライブがパターン化した形態」なんですよね。年間130試合もやっていますから。その中でも、後楽園ホールでやっている大会などは収益率が圧倒的にいい。東京ドームや両国国技館に比べて会場費などが安いからです。

 「タイガーマスク」のアニメ化も決定しました。そこには新日本プロレスのレスラーも実名で登場します。日本のエンターテインメントにしかできない“2次元と3次元の融合”にご期待ください。

――新日本プロレスが大手芸能プロダクションのアミューズと提携するという発表もありました。

木谷: 所属レスラーは、これからプロレス以外の場にもどんどん露出させる方向でいきます。レスラー自身もそれを望んでいます。レスラーは体を使った表現能力がすごく高いんです。そこが、アミューズさんも評価してくれたところです。

 ファンの中には「プロレス1本でやってほしい」という人もいますが、それではプロレスが好きな人がレスラーとして業界に入ってくるだけになってしまう。いろいろな価値観を持った人にプロレスの世界に入ってきてほしいのです。極端な話、「俳優になりたいからレスラーになる」ということでも僕は構わないと思っています。今後、所属レスラーについて新たな取り組みも発表します。

――そのほか、ライブエンターテインメント分野では、シンガポールで7月に日本のアニメ、マンガ、ゲームなどを集めたイベント「C3 CharaExpo 2016」を開催します。

木谷: 初開催だった昨年は1万6000人の来場者に来ていただきましたが、今年の目標は2万人以上です。シンガポール国内だけではなく、近隣の国からももっと遊びに来ていただけるイベントにしたいですね。昨年の近隣諸国からの来場は10%程度だと思いますが、今年は25%ぐらいに高めたいです。また、BtoBへのニーズが年々高まっていることにもきちんと対応していきます。

初開催だった「CharaExpo 2015」の会場風景<br>(C)C3 CharaExpo 2016 Committee All rights reserved.
初開催だった「CharaExpo 2015」の会場風景
(C)C3 CharaExpo 2016 Committee All rights reserved.
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――シンガポール以外でもイベントの開催は計画していますか?

木谷: 東南アジアではシンガポールしか考えていません。シンガポールという都市の魅力が大きいですね。例えば、「オーストラリアや、米国のロサンゼルスといったところでやってみますか?」と言われれば興味はありますが、実際にはまだ難しいですね。イベントを立ち上げるのは、本当にしんどいですから。