作り手が販売店で遊び方を教えるのは日本だけ

――あっという間にワールドワイドでユーザー数が1000万、2000万を突破するようなタイトルが出てきてユーザーの海外比率も高まると、オリジナルをローカライズするより、多言語で同時開発するような進め方になりますか?

木谷: 進め方にはいろいろなパターンがあります。先日までクローズドベータ版でテストをしていたオンラインTCG(トレーディングカードゲーム)の「Cardfight!! Online」のように、最初から英語版しか作っていないものもあります。PCゲームの世界的なプラットフォームである「Steam」で公開して、初めから海外向けに進めている例ですね。ブシロードの主軸であるアナログカードゲームでも、英語版しか出さない商品の開発を進めています。

「負けたら死ぬ覚悟」でスマホアプリに挑むブシロード【TGS2016】(画像)
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「負けたら死ぬ覚悟」でスマホアプリに挑むブシロード【TGS2016】(画像)
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「Cardfight!! Online」
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――開発は海外の主要拠点であるシンガポールで進めているのですか?

木谷: シンガポールを中心に進めていますが、デザイナーやイラストレーターは日本と米国のスタッフです。そしてターゲットにしている市場は米国です。販売の現場では、これまで日本でやってきたような、社員自ら各地を回ってカードゲームの講習会を開く、といったことにも挑戦してみたいです。

――海外では通常、そのようなことはやっていないのですか?

木谷: カードゲームの大会はありますが、「メーカーの社員が講習会で各地を回る」といった概念がそもそもありません。多分、「俺たち作る側、あなたたち売る側」という区分がはっきりしているのだと思います。

――作った人が販売現場に来ることはないのですね。

木谷: 日本以外ではジョブ・ディスクリプション(職務記述書)というもので仕事の範囲が明確に線引きされているので、メーカーの作り手がわざわざ販売現場に出向いてユーザーに遊び方を教える、という概念がないのでしょうね。

――でも、ユーザーは間違いなく喜びますよね。

「負けたら死ぬ覚悟」でスマホアプリに挑むブシロード【TGS2016】(画像)
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木谷: そうなんです。ですから、日本的なことを海外でもやってみたいのです。実際、私自身もシンガポールでは毎月20店舗以上のカードゲーム専門店を回っていますが、お客さんから毎回サインを求められるなど好評です。メーカーのCEOが売場を回るなんてことはないのでしょうね。いいと思ったことは海外でもどんどん広めていきたいですね。