「スクフェス」ユーザー数が全世界で2500万を突破

――スマホ向けゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(KLabと共同開発)が好調ですね。2015年4月のインタビューの際にはワールドワイドで1200万を突破したところでした。

木谷高明社長(以下、木谷): 今年3月にユーザー数が全世界で2500万、そのうち国内は1500万を突破しました。この1年で思いを強くしたのは、日本と世界の市場がより一体となってきた、ということです。コンテンツがデジタルになればオンラインに対応するようになり、オンライン化すれば市場がグローバルになる、という流れがより強まってきたのです。この流れはゲームだけでなく、アニメ産業にも見られます。パッケージ型のビジネスとは全く異なる世界ですよね。

「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(iOS/Android、配信中)
「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(iOS/Android、配信中)
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――ダウンロードや配信型のビジネスということでしょうか。

木谷: ええ。パッケージ型のビジネスだと、日本でパッケージを出す、それから海外に地域ごとに売って歩き、ローカライズして出す、という流れになります。でも、“オンラインでグローバル”の時代のビジネスは、いきなり世界同時にコンテンツが出ていきます。

 面白いのは、従来のパッケージ型のビジネスがすべてなくなってしまうわけではないことです。いまだにパッケージとしてローカライズされていながら、オンラインコンテンツとして世界中から課金する動きもある。テレビ番組にしても、番販(番組をパッケージとして他の放送局に販売すること)という仕組みが残りながら、全世界にネット配信するモデルもどんどん普及しています。

 そうした動きの中で見えてきたのは、人気コンテンツの価値が一層高まり、いまや“コンテンツの格差社会”が世界的に広がっているということです。

――売れるコンテンツとそうでないコンテンツの二極化ということですか?

木谷: はい。例えば、スマホゲームの会社の業績を見ても、中堅以下は半分ぐらい赤字じゃないでしょうか。それは、世の中の情報がものすごく増えているなかで、かなり目立たないとユーザーの目にも触れないということです。

 この時代に一番大事なものは突破力だと思います。「このコンテンツは突き抜けるな」と思ったら、国内どころか、あっという間に世界レベルのヒットになる時代です。そうしたときに必要なのがワールドワイドな視点に立って突き抜けられる“突破力”です。この突破力を持つのは中堅以下には無理ではないでしょうか。

――どのような点で中堅以下には無理なのでしょうか。

木谷: 宣伝費がすごく掛かるということもありますし、当たるIP(知的財産)を開発しつづける体力がないということもあります。さらに会社のブランド力もないので非常に厳しいのです。やっている担当者個人に突破力があれば、何とかなる場合もありますが。

 よく言うのは、区会議員でも市会議員でもいいのですが、どんな頼りない候補者でも、「こいつをどうにかして当選させてやろう」という人間が3人いたら当選できる、と。それと同じことだと思うんです。

「負けたら死ぬ覚悟」でスマホアプリに挑むブシロード【TGS2016】(画像)
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 そのコンテンツをヒットさせてやろうと24時間真剣に考えている人間が何人いるのか。それが担当者1人だけだったらヒットするはずはないですよね。そういう意味では、自分自身の突破力も大事だし、一緒になって突破する仲間を作ったり、取引先をそういう気にさせるプロデュース力が大事なんですよね。

 ゲームはヒットすると単体でものすごく稼げるから、IPをどう広げるかということをかつてはあまり意識していなかったように思います。一方で、アニメは市場規模の面で、最初から「パッケージにしていくら、海外に売っていくら、マーチャンダイズでいくら」とIPを広げることを前提にしたビジネス感覚が備わっています。ゲームもそのようにならざるを得ないかなと思います。少なくともグローバルな展開を前提にした時代にはなってきていますね。