家庭用ゲーム機にはチャンスがある

――7月28日にニンテンドー3DS向けに「パズドラクロス」が発売になります。これは、2013年に発売され、販売本数150万本を超えた「パズドラZ」の続編ではなく、新作という位置づけ。スマホ向けゲームの人気タイトルを持つガンホーが、家庭用ゲーム機のタイトルに挑戦する意義は何でしょう?

森下: 僕自身は、スマホのゲームが一番いいとは思っておらず、家庭用ゲーム機でも面白いタイトルが作れるなら常に挑戦したいと思っています。PlayStation4でも、自社開発の新作タイトル「LET IT DIE」を開発中です。「LET IT DIE」は、どちらかといえば海外市場を狙っているタイトルです。

 PS3でもゲーム開発をしていましたが、PS4ではできることが増えるので、その良いところを活用したい。例えば、プレーヤーが実況しながらプレーできる「シェア機能」を使って、“見せるプレー”が楽しいゲームにしたいですね。

 日本の家庭用ゲーム機の市場を悲観的に見る風潮はありますが、僕は違う見方をしています。家庭用ゲーム機の市場で新しいフォーマットを作れれば、今とはまったく別の形で大きな市場になりえると思っていますし、そうであってほしい。個人的にもスマホゲームは自社のもの以外は遊んでいないですからね(笑)。

 最近、僕自身はWii Uで「スプラトゥーン」(任天堂が2015年5月に発売したアクションシューティングゲーム)を楽しんでいます。「スプラトゥーン」は去年発売されたゲームの中で、最も優れたゲームデザインだと思っています。新しい遊び方を作っていますよね。ゲームの作り手として、非常にいい刺激を受けました。任天堂の宮本茂さんにも、いかに「スプラトゥーン」がすごいかを説明しました。「森下くんぐらいだよね、そういうこと言ってくるのは」と言われましたが(笑)。

――既に「パズドラクロス」を核にしたクロスメディア戦略や、GPSの位置情報を使ったスマホ向けの新アプリ「パズドラレーダー」の投入などを発表されていますが(関連記事:アニメ化する新「パズドラ」は「妖怪ウォッチ」になれるか?) 、今後の新たな試みを教えてください。

森下: パズドラクロスは、コミカライズやアニメ化、関連玩具の発売などに取り組むことで、ゲームの対象を従来のスマホユーザーから小中学生にまで拡げ、キャラクターコンテンツとして強化していく考えです。パズドラレーダーは、ゲームの世界と現実をつないで、新しい楽しみを提供したいですね。

 また、これまでは自社の開発タイトルにだけ集中するために、他社から依頼や売り込みがあっても断ってきたのですが、今後は資本関係がない他のディベロッパーの開発タイトルをパブリッシングする事業もやっていきます。

――その変化の理由は?

森下: 以前PC向けオンラインゲームの運営を担当していた部署を“資産”として活用したいと考えたためです。自分たちでPC向けゲームの開発をしなくなっても、開発チームはその経験をスマホや家庭用ゲーム機向けのゲームに生かしています。一方で、運営チームについては、生かし切れていなかった。そこで、他社のタイトルを預かってパブリッシングしていくことにしたのです。ただし、手掛けるのはPC向けではなくスマホ向けのオンラインゲームです。

「パズドラ」は家庭用ゲーム機やキャラビジネスに展開【TGS2016】(画像)
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「パズドラ」は家庭用ゲーム機やキャラビジネスに展開【TGS2016】(画像)
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ニンテンドー3DS向けに発売する「パズドラクロス」と、GPSを使ったスマホ向けのアプリ「パズドラレーダー」(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved."
PS4向けに発売する自社開発の新作タイトル「LET IT DIE」。(C)GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
PS4向けに発売する自社開発の新作タイトル「LET IT DIE」。(C)GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
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