顧客単価を上げないのがポリシー

――海外市場に関してはどうでしょうか? 「パズドラ」は北米だけで累計900万ダウンロード(2015年12月末時点)まで行くほどの人気です。

森下: 米国では、ユーザー数、アクティブユーザー数、売り上げともに落ちることなく、ずっと伸びています。2015年9月ぐらいからプロモーションとしてテレビCMもスタートさせて、その効果もありました。国が大きいから、地道に長く継続して取り組むのが重要と考えています。米国の売り上げは日本の売り上げと比較すれば小さいですが、堅調に推移していますから、とてもうれしいです。

――日米で市場やユーザーの違いはありますか?

森下: ありますね。米国の場合、都市部以外でのダウンロード数は、ほぼ土日に集中して伸びています。平日にCMも流しているのですが、基本的には土日に増えて、平日に下がり、また土日に増える。そこは日本と全く違います。理由ははっきりとはわかりませんが、日本と違って、電車での通勤や通学が少ないからかもしれません。

「パズドラ」は家庭用ゲーム機やキャラビジネスに展開【TGS2016】(画像)
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 ユーザーごとの顧客単価は日本人と比べると低いですが、ガンホーのゲームはもともと顧客単価を低く設定していますから。実は、顧客単価を上げるのは簡単なんです。月が替わったら、先月まで人気があった強いモンスターをつぶせる、新しいモンスターを出す。さらに、そのモンスターを出すためのガチャの確率を調節すればいいのです。顧客単価を1.5~2倍に上げようとしたら、おそらく1~2カ月あればできるでしょう。

 でも、ガンホーはそれをやらないのがポリシー。顧客単価を上げるのは簡単ですが、ユーザーもどんどん逃げてゲーム自体の寿命を縮めるからです。「パズドラ」が4年も続いているのも、顧客単価をむやみに上げないからだと思っています。

――現在の海外拠点は?

森下: アメリカ、韓国、台湾では子会社をつくり、直接ビジネスをしています。海外進出についてはよく聞かれますが、他社を見てもうまくいかないとすぐ撤収するケースも多いじゃないですか。ダメだと思ったら、すぐ撤収するのも、ビジネスにおいては一つの判断だとは思いますが、地域に関係なく、すぐに結果が出る市場はないですよ。

 海外展開については、すぐに結果を求めてはいけない。過去の日本メーカーがそうですが、いかに地場に入ってうまくやっていくかでしょう。みなさんグローバル戦略が好きだし、そういうことを言うと株価もあがりそうですが(笑)、海外では痛い目もたくさん見たし、甘く見ていない。じっくり腰を据えて取り組みます。