2016年は新しいゲーム体験を提供
――2015年は、御社にとってどのような1年でしたか?
森下一喜社長(以下、森下): ものづくりの観点からだと2015年は仕込みの年でしたね。ゲームとしては、ニンテンドー3DS版の「パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション」1本しかリリースできなかった。ただ、「スーパーマリオブラザーズ」シリーズをやらせてもらったことは、いい経験になったと思っています。
本来は2015年中にリリースする予定だった新規タイトルが、2016年にスライドしました。その分、自分たちが満足しているクオリティのゲームが今年は出せると思います。新しいゲーム体験を提供するために、かなり試行錯誤しながら作り込みをしてきたので、その成果が2016年に出せるでしょう。そして、それをユーザーのみなさんの価値観と共有することができればいいなと思います。
――既存タイトルについてはどうでしょう? 「パズル&ドラゴンズ」(以下、パズドラ)は2016年3月末時点で累計4100万ダウンロードを突破しました。
森下: 2015年に注力したことの一つが「パズドラ」をどう展開していくかでした。ゲームとしての規模が大きくなった分、やるべきことが多くなりましたし、常にいろいろな決断もしなくてはなりません。「パズドラ」にかかわらない日が、まずなかったですね。
加えて、「ディバインゲート」のアニメ化もありました。「ディバインゲート」は、これまでのガンホーのゲームとは違って、女性ファンが多いのが特徴です。ワンソース・マルチユースという観点でも、今までと違った動きができると考え、スタジオぴえろにアニメ化の話を持ちかけたのです。すると、ちょうど「黒執事」や「アルスラーン戦記」など、女性にも人気が高いアニメを手掛けた阿部記之監督にお願いできることになりました。
アニメ化するなら、最初からシナリオやストーリー構成にまでしっかり関わろうと思っていました。キャラクターのしゃべり方やセリフの細かいところも確認し、ストーリー構成や1話ずつの脚本も細かくチェックしました。僕は活字を読むのがかなり苦手だったのですが、この仕事で活字慣れしましたよ(笑)。