データ活用で改良、新サービス提供

 大半のグレードでDCMを標準装備した新型プリウスPHVは、本格的なコネクテッドカー(ネットに接続するクルマ)という位置づけになる。DCMから得られるデータを生かして、製品を改良したり、さまざまなサービスを提供したりできるようになる。

 データを分析する専門の部署はあえて設けず、各担当者が必要に応じてデータを活用する体制にしている。例えば、電池の部署は、電池の劣化や充電回数などのデータをチェックするといった活用になる。電池の劣化が激しい場合は、どんな使い方をしているのかデータで検証することも可能だ。場合によっては、使い方をアドバイスすることもできるという。

 金子主査は、「目的を持っていないと、データの有効活用はできない。また、クルマの(走行履歴などの)プローブデータをすべてDCMを通じてサーバーに吸い上げると膨大なデータ量になってしまう。優先順位をつけて必要に応じてデータを収集・活用する」と説明する。

 一方、DCMを通して収集したデータを活用する新しいサービスも検討している。その可能性の1つが、より精緻な渋滞情報の提供だ。プローブデータから1台1台の走行速度などが分かるので、位置データと掛け合わせることでどの場所で渋滞が発生しているのか分かる。

 技術的には、1台1台のクルマから信号機の変更タイミングを把握できるので、赤信号で停止せずに走行できる最適な速度を教えるサービスの提供も考えられる。停止回数が減れば「よりEVの効率を高めることにつながる」(金子主査)というメリットもある。

 また、よく急ブレーキが踏まれる場所を特定できるので、その場所に近づいたら警告を出すこともできるという。もっとも、「技術的には可能だとしても、実際にサービスとして提供するかはこれから検討する」と、金子主査は説明する。クルマがネットでつながり、ビッグデータを活用することで様々なサービスが生まれる可能性があり、安心・安全・快適なドライブが楽しめるようになるはずだ。

本格的なコネクテッドカーである新型プリウスPHVに提供される可能性があるサービス例
本格的なコネクテッドカーである新型プリウスPHVに提供される可能性があるサービス例
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(文/多田 和市=日経ビッグデータ)