パブリッシャーとしてアジア圏へも展開

――以前のセガは家庭用ゲーム機とアーケードが両輪というイメージでしたが、アーケード事業がセガ・インタラクティブ社に移り、代わりにスマートフォン事業がセガゲームスに加わった状態です。それらは現在、どういったバランスになっているのでしょう?

松原氏: グローバルで10兆円あるゲーム市場の内訳を家庭用ゲーム機、モバイル、PCで比べてみると、モバイルが少し突き抜けていて、4兆円近く。家庭用ゲーム機とPCがそれぞれ3兆円ちょっとと、だいたいうまくバランスが取れた状態です。

 そこにセガのゲームをいかに届けていくかという話になるわけですが、今までは家庭用ゲーム機、PC、スマートフォンと、基本的にデバイスごとに事業の軸が分かれていました。しかし2017年からは、タイトルを軸に事業を展開する方針に変えていくつもりです。各スタジオが持っているタイトル、もしくはIP(知的財産)の特性に合わせて、どのデバイスに注力するか、販売する地域はどこに注力するかを考えていくイメージになります。

 例えば『龍が如く』は国内の家庭用ゲーム機向けのタイトルとして10年以上続いていますので、国内での展開はもちろんですが、次はそれをいかに海外でもヒットさせていくかということが重要になります。ちなみに、『龍が如く』は海外では『Yakuza』というタイトルで展開し、『Yakuza 0』(邦題:『龍が如く0 誓いの場所』)も欧米ではかなりの本数を売り上げるようになってきていますし、アジア圏でも日本での販売本数の4割近い数が売れているなど、地域を越えて展開しています。

開発にもマーケティング思考を セガは意識改革を断行(画像)
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『Yakuza 0』(邦題:『龍が如く0 誓いの場所』)(C)SEGA

――国内、海外と分けて考えるのではなく、グローバルな視点をより重視するということでしょうか?

松原氏: 国内外にある各スタジオが作るタイトルを世界中で売ることを考える、ということですね。売ることに関しては各国市場にはそれぞれ特性があり、採るべきプロモーションやパブリッシングの手法は国や地域ごとに異なります。従って、作品を作り出すスタジオとそれをお客さまにお届けするパブリッシング機能との間をしっかりと結びつけようと、この4月に組織変更を行い、現在はそのルールやコミュニケーションのスタイルを整えながら走っているところです。

――先日、自社以外のタイトルを海外へリリースするとの報道がありましたが、それも組織変更の一環なのでしょうか?

松原氏: アジア圏についてのお話ですね。もともと国内では他のメーカーさんの作品をお預かりして、セガが販売する、ということはやってきました。サードパーティーでは最大の流通網を持っていますし、EA(エレクトロニック・アーツ)さんやワーナー・ブラザースさんなど海外メーカーのタイトルも扱わせていただいています。

 アジア圏ではPCに関しては大きな市場があり、さらにPS4の販売が好調なことを受け、2016年からアジア市場へのダイレクトなソフト流通網を構築しています。ディストリビューション(流通)だけではなく、場合によってはわれわれがパブリッシング(販売)も手がけています。