「ドラゴンボール」のゲームは海外で画期的ヒット

――改めて振り返って、2016年はどんな1年でしたか?

浅沼 誠氏(以下、浅沼氏): 弊社のゲーム事業はネットワークコンテンツ事業(以下NE)と、家庭用ゲームソフト事業(以下CS)、業務用ゲーム事業(以下AM)の3つですが、2016年は前年に引き続きNEが好調でした。

 弊社は海外比率の向上を課題に掲げています。「ドラゴンボール」「ONE PIECE」「NARUTO」「鉄拳」「パックマン」……海外でも人気のあるこれらIP(ゲームやアニメのタイトルやキャラクターなどの知的財産)のゲームですが、以前はユーザーに完全にリーチしきれていないという感覚がありました。ようやくIPの持つグローバルな力を発揮できるようになったのがここ数年だと感じます。

 特に成功したのは『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』。これは欧米、オーストラリア、台湾など、51カ国で累計1.6億ダウンロードを突破しています。昨年は海外の売り上げが、国内のそれに迫る伸びを見せました。これまでは国内のほうが圧倒的に高かったのですが、ここまで伸びたのは画期的だと感じます。ただ、もともとCSのワールドワイドタイトルは海外比率のほうが高いので、それを考えたら当然ともいえるかもしれません。

 また、中国では「NARUTO」を使ったオリジナルの『火影忍者MOBILE』のサービスを開始しましたが、こちらも好調が続いています。

強いキャラ持つバンダイナムコ VR施設やライブも展開(画像)
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――NEの国内外の比率を教えていただけますか。

浅沼氏: SBU(Strategic Business Unit、戦略事業単位)におけるNE事業の海外比率は18%。前期は10%だったので、倍近く伸びています。アプリ配信ビジネスは、アップルやグーグルと連携することでビジネスのスピードが増しましたね。配信する工程が画期的にシステム化され、日本にいながらもスムーズに世界中の国にアプリを配信できるんですから。わざわざ現地に行って契約して、しかも全然利益が還元されない……なんて時代を体験した身からすれば、夢のような話です(笑)。

「アイマス」メガヒットのきっかけはスマホアプリ

――2016年の国内のNE部門を象徴するタイトルは何でしょうか。

浅沼氏: 『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』と『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』でしょうか。特に「アイドルマスター(以下、アイマス)」は武道館3デイズ公演や幕張メッセでのライブなど、破格の規模に成長していますし、グッズなどの物販収益も大きいです。

 アイマスがここまでのメガヒットになったのは、携帯用のオンラインゲームに参入してからです。アーケードや家庭用ゲーム機を中心に展開していた頃も、コア層がいる認識はありましたが、ソーシャルやアプリに対応するとダウンロード数が激増しました。このときにコア層以外のライトユーザーにも届いたのではないかと思います。無料で気軽に遊べるアプリならやってみたいという潜在層が非常に多いことを実感しました。家庭用ゲーム機のときはアイマスのファン層は大半が男性ではないかと言われていましたが、今は女性からの人気も高いです。アプリ配信がなければ、ここまでの支持は得られなかったでしょう。

「アイドルマスター」は携帯用のオンラインゲームに参加してから爆発的なヒットとなった (C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
「アイドルマスター」は携帯用のオンラインゲームに参加してから爆発的なヒットとなった (C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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