MRはゲームだけでなく企業用途も想定

――基本的にはWindows 10の大きな戦略の中にXboxが組み込まれているわけですね。Creators Updateの中では、MRが特筆事項として挙げられていますが、MRとXboxの連動は、今後、どういう方向になっていくのでしょうか?

高橋氏: MRといっても、必ずしもゲームコンテンツだけではなく、製造業から建設、流通などさまざまな企業での活用方法が考えられています。ゲームデベロッパーへのアプローチを進める一方でこうした業界へのアプローチも並行して進めていきます。

 2017年末までに、Windows 10向けMR対応のヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)の新製品が台湾のAcerさんやASUSさんなどから299ドルからという価格帯で投入されます(日本での発売は未定)。そうなるとゲームタイトルだけじゃなく、CADやCGソフトなどの業務用アプリケーションでの活用、住宅展示場や車のショールームでの用途なども想定されるでしょう。もちろんゲームという切り口の需要は高いとは思いますが、いろいろな業界に向けて、アプローチすることになるんだと思っています。

 ただこれ以上、具体的に言えることは、今はないです。プロジェクト・スコーピオに対応したMRについては、「E3」での発表を楽しみにしてください。

――MRといえばMicrosoft HoloLensもありますが、BtoC展開は、どのようになっていきそうですか?

高橋氏: HoloLensは法人のお客様と開発者を対象とした製品で、一般コンシューマ向けには提供していません。ただ、一般ユーザーの方が楽しむような活用が見え始めています。HoloLensのコミュニティーの中で、チームで何かをやっていくような使い方もあります。バトル系のゲームというわけでは必ずしもなく、HoloLensを通して見えている“物体”に対して、みんなで何かを作っていくようなこともあるでしょう。

「Microsoft HoloLens」
「Microsoft HoloLens」
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現在は法人および開発者向けに提供されているHoloLensだが、今後はBtoC展開の可能性もある。
現在は法人および開発者向けに提供されているHoloLensだが、今後はBtoC展開の可能性もある。
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 最近は、VRをアトラクションに使うアミューズメント施設が増えていますが、HoloLensを付けて、アミューズメント施設でなければ体感できないアトラクションを楽しむというシナリオもあると思います。全員がアミューズメント施設に同時に行けるわけではないので、その場所に行かなくても自宅で疑似体感できるようなことだってあり得ます。コンテンツを自宅でHMDで疑似体験してから、実物を体験しにいくというアミューズメント施設への送客システム(プロモーション)に使われる可能性もあります。

 そもそも面白いコンテンツであれば、BtoC向けのサービスとして成立するわけですから、今までにないような体験やビジネスをお届けできるかなと思っています。

――ちなみに、マイクロソフトの中で、HoloLensというデバイスは、どれぐらい重要な戦略商品なんでしょうか?

高橋氏: ビジネス的にはまだ開発者と法人向けの商品となっています。現時点での売り上げはそれほど大きくはないですが、将来の成長性を考えると、ものすごく重要ですね。

 表示装置としてのHMDを提供するだけではなく、HoloLensと連携したクラウド環境などを通して、新しいサービスにつながっていきますので、最重要商品の1つと位置づけています。単なる機器というよりも、新しい世界観を創造できるデバイスだと思います。そういう意味でいうと、今はデベロッパーとか企業向けに情報を発信しているので、もう少し広範囲に向けてMRの世界観を伝えられるように検討していきます。

 HoloLensなどのMRへのアプローチについては、E3が大きな変換点となり、2017年末に向け、どのようなマーケットを構築していこうと考えているのかが明らかになると思っています。ゲーム業界に対しては、この年末、「MR」は欠かすことができないキーワードになると思います。