ゲーム業界も「働き方改革」

――技術以外で、最近、鯉沼さんの頭の中で大きな割合を占めているテーマはなんでしょうか?

鯉沼氏: このインタビューに沿った話題かどうか分かりませんが、頭を占めているテーマといえば、「働き方改革」です。いかにして働きやすい環境をつくるかです。

 冒頭で申し上げたように、あらゆるプラットフォームに自社で対応できる開発体制を目指しています。これは創業者ら(襟川陽一氏、襟川恵子氏)のポリシーでもあり、自社開発のための設計エンジン、チームマネジメント、工程管理などにも長年、工夫をしてきました。

 ただ、すべてが仕組みで対応できてきたわけではなく、開発の段階は、人の頑張りで支えられている部分が残っています。ゲームクリエイターとしては「時間に関係なく納得いくだけ開発させろ」という気持ちもありますし、できる人ほど自分でやりたがる傾向もあります。実際、そうした思いでより良いものが生まれたり、開発者の能力が飛躍的に伸びたりすることもあったのですが、そうしたやる気に甘えていた側面もあります。今後はこれを変え、誰もが無理をしない働き方を追求すべき時代になってきました。

コーエー AIで飛躍するゲーム、勝負は面白さの演出(画像)
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――どうすればできるのでしょう?

鯉沼氏: ゲーム開発もシリーズものであれば作業を平準化する方法はありそうです。ただ新しい試みとなると、いくら品質管理、工程管理をしても、想定を超えた作業が発生するでしょう。こうした突発的な作業量の変化も、できるだけ早く察知し、組織全体で対応することです。

 大事なのは現場だけで対応させず、マネジメントで対応することです。システムの問題というよりは、管理者たちの意識の問題。その意識から変えていきます。最終段階に作業が増えることが多いので、この段階で「組織の壁を超え人を補充する」ことから始めたいです。

 あと開発以外の仕事ではアウトソーシングするようにしていきます。普段の「仕事」では、外注できるものは外注していきます。もちろん、ゲーム開発での自前主義は守ったうえでの話です。

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日本ゲーム産業史
ゲームソフトの巨人たち
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