IPを軸に、アプリ以外の事業も拡大する

━━先ほど話に出た他社とのコラボレーションやVR、いわゆるリアルから2.5次元みたいなところも含めて、将来的にどれくらいの規模に育っていくことを期待していますか?

津谷氏: 会社の全事業の中では、アプリが半分、そのほか――アニメでも舞台でも音楽でもグッズでもいいんですが――が半分ぐらいになるんじゃないでしょうか。最近、アプリだけに閉じていても広がっていかないと痛感しています。もともと携帯コンテンツからスタートしているので、アプリで完結すると考えていたんです。でも、20~30代のオトナ女子とか、今後男性も狙うとなったとき、その人たちの楽しみ方自体が結構変わっているじゃないですか。テレビだってリアルタイムで見るよりも録画して見たり、「Amazonプライム」で映画などを見たり、雑誌を買ってくるんじゃなくて電子コミックで配信されるものを読んだりと、この2年ぐらいで劇的に変わっています。そういうことを考えると、アプリだけでなくもっと広くやっていくことになる。

 もう1つ、音楽が一番分かりやすい例ですが、デジタル化されて配信で聴くようになると、夏フェスとかライブにみんな行くんですよね。人と人が屋外で集まるイベントがすごく人気になっています。デジタル化でお茶の間がなくなって、音楽などがパーソナルな楽しみになると同時に、今度は、大人数で一緒に集まりたいという欲求が出てくる。まあ、人間としては自然の摂理だと思います。舞台とか声優イベントみたいな分かりやすいものもあるし、僕らもデジタルだけに閉じているんじゃなくて、2方向同時に回すようなことになるんじゃないかなと思います。

━━1つの世界観をつくって、そのIP(ゲームのタイトルやキャラクターなどの知的財産)を軸に、デジタルとリアルで展開していくことになるということですね。

津谷氏: そうなっていくと思います。

━━現在、御社の代表的なIPと言えば何ですか。

津谷氏: ニュータイプが今後いろいろ出てくるんですが、今の中核は『天下統一恋の乱』や『ダウト』です。

東氏: あと、去年の秋に出した『あの夜からキミに恋してた』は完全にカジュアル層をターゲットにしたトレンディードラマのような作りですが、これもしっかりユーザーさんに支えられて、まだまだいけるんだと思っています。

『天下統一恋の乱』。戦国時代、弟の身代わりとして城で仕えることになったアナタ(プレーヤー)。織田信長、明智光秀、真田幸村、豊臣秀吉、徳川家康、石田三成、上杉謙信、武田信玄ほか、乱世を生き抜く12人の武将たちと命がけの恋を体験する
『天下統一恋の乱』。戦国時代、弟の身代わりとして城で仕えることになったアナタ(プレーヤー)。織田信長、明智光秀、真田幸村、豊臣秀吉、徳川家康、石田三成、上杉謙信、武田信玄ほか、乱世を生き抜く12人の武将たちと命がけの恋を体験する
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『あの夜からキミに恋してた』。広告代理店で一目置かれるエース的存在のアナタ(プレーヤー)は、今まで真面目な人生を送ってきたはずだったのに、パーティーの翌朝目覚めると、そこは見知らぬベッドの上――。大手広告代理店を舞台に、一夜の過ちからリアルなオトナの恋が始まる
『あの夜からキミに恋してた』。広告代理店で一目置かれるエース的存在のアナタ(プレーヤー)は、今まで真面目な人生を送ってきたはずだったのに、パーティーの翌朝目覚めると、そこは見知らぬベッドの上――。大手広告代理店を舞台に、一夜の過ちからリアルなオトナの恋が始まる
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━━これらをIPとしてマルチに展開していくために、登場人物のキャラクターをより際立たせたりするんでしょうか?

津谷氏: 『天下統一恋の乱』や『ダウト』をIP展開するというやり方もあるし、年に4~5本の新しいタイトルを出していくなかで、それをIP展開しやすいように作っていくというやり方もあるかなと。ただ、カジュアル層向けはIP展開しにくいですね。

東氏: ドラマの登場人物は恋愛対象なので、個性があるキャラクターが立ってしまうと、恋愛対象とは離れてしまう。ただ、今まではそう思っていたんですけど、キャラクターを立たせた新しい女性向けドラマにも挑戦していて、いい落としどころを探っているところです。