創業者であるわれわれが前のシステムを壊す

━━米国での展開については、ある程度勝負できるところまでお膳立てができたので、日本に戻ってこられたということですね。

津谷氏: 今度は日本。(経営は)若い人に任せたつもりだったので、本当は、個人的に映画制作をもう少し真剣にやろうかなと思って帰ってきたんです。会社にしばらく来るようになったら、2カ月ぐらいでちょっとまずい状況だなということに気がついて。それで社長に復帰することを決めました。

━━まずい状況とは?

津谷氏: 簡単に言うと、僕らが日本を離れた4~5年前と同じようなことを今も続けていたということ。『ダウト』のような新しいものが生まれているし、キャラクターアプリというパズルゲームみたいなものも生み出してはいるんですけど、全体としてはやっぱり変わってないところがあって。市場の競争が激しくなって、周りの環境が変化しているのに、対応していないというか、ついていっていないなと思ったんです。

『LOVE☆スクランブル』。ボルテージの「恋愛ドラマアプリ」シリーズの人気イケメンキャラクターが登場するパズルゲーム。異世界を舞台に、プレーヤーはメーンストーリーを進めながら、パズル操作でモンスターを倒し、イケメンたちと協力して世界平和を取り戻す――
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━━周りの環境変化というと?

津谷氏: さっき申し上げたような、オトナ女子を狙ったゲームが、アプリで結構出てきました。イケメンと恋愛するパターンだけではない女子向けのコンテンツというのがいろいろ開発できるんだということを僕も見て、ああ、そうなんだと思った。それだけマーケットが大きくなってきたんです。ボルテージは恋愛ストーリーに特化してきて、昔はそれで(ユーザーの)8割程度は獲得できていましたが、今は多種多様なものが出てきて、プレーヤーもいっぱい出てきて、という状況になっていたんです。

 そういうことに気がつき、成長率自体が数字として落ちているのも見えてきているので、今の路線のまま突っ走っていくのはまずいなと。「物語」ではまだナンバーワンという自負を持っていますので、うまく方向転換するなり、いくつか複数の方向を狙うなりすれば、まだまだ成長はできます。

 ではそれを誰ができるのかというと、創業者であるわれわれが自分たちで前のシステムをぶっ壊すところからやらないとできないだろうなと。ぶっ壊して新しくつくっていくという作業をやろうと決意したのが5月ぐらい。それでA4で3枚ぐらいの作文を夜中に書いて、こういうことでもう1回僕が社長に復帰しますという宣言文を社内に配ったんですね。役員会で承認されて、去年の7月から社長に戻ることになりました。