日本風のコンテンツは米国では受けない

━━昨年まで数年間、サンフランシスコに拠点を移して米国マーケットを開拓していたわけですが、ある程度の道筋はできましたか?

津谷氏: サンフランシスコのスタジオは30人程度の組織ですが、制作部門、クリエーティブ部門、エンジニア部門、アート部門があって、最低限の機能はそろいました。あと商品群も、試行錯誤を4巡ぐらい繰り返して、ようやく当たり筋が見えてきたところです。2012年に設立してからもう5年目ですけど、3月にローンチしたものが当たるかどうかという勝負の段階です。良ければ黒字になってくるし、ダメなら米国から撤退するかという最終段階に来ていると思っています。

━━以前、米国は多様性があるので、日本と同じような物語は難しいというお話をうかがいました。

東氏: そうですね。LGBT含めた多様な恋愛コンテンツを今でも作っていますが、この3年で、大きく2つのことを感じています。他社のビッグタイトルも米国では苦戦されていますが、1つは、米国人はガチャとかでチマチマやるのがあまり好きじゃない、性に合わないということ。だから、われわれのような、ストーリーゲームは、割と受け入れられるんです。2つめは、好まれる絵のテイストはアニメなんですが、やっぱり日本人のものではないということ。3月1日にローンチした『Love & Legends』(ラブ アンド レジェンズ)は、日本人のものには見えないように作ってます。

『Love & Legends』。中世ヨーロッパのような異世界の城に、「邪悪な魔女の生まれ変わりだ」として、囚われの身になるアナタ(プレーヤー)。そこで、魅力的な5人の男性の中から自分を監視する人を選べといわれる。なぜこの世界に召喚されたのか、謎を解き明かしていくなかで芽生える愛の行方は?
『Love & Legends』。中世ヨーロッパのような異世界の城に、「邪悪な魔女の生まれ変わりだ」として、囚われの身になるアナタ(プレーヤー)。そこで、魅力的な5人の男性の中から自分を監視する人を選べといわれる。なぜこの世界に召喚されたのか、謎を解き明かしていくなかで芽生える愛の行方は?
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津谷氏: 『Love & Legends』は、普通に見たら少年向けのような感じがするんですが、米国の10代、20代の女性層は好んでくれるんです。表現的には、日本のアニメのテイストはありつつ、日本っぽくなり過ぎてなくて、ある程度アメリカナイズされています。

東氏: 最初のころは米国内のコンテンツと同じタイプのもので勝負しようと考えていました。だけどそこでは結局勝てないので、次はすごく日本に寄せたんです。すると今度はパイが小さいということに気づきました。今はハイブリッドで、われわれなりのテイストで米国人に受け入れられるものができてきました。

津谷氏: ガチガチの日本テイストと米国テイストの間を行ったり来たりして、結局その中間的な、ハイブリッドなところに行き着いたんです。この辺はテイストの問題なので言葉で説明しにくいのですが。

━━米国のユーザーの中心はやはり日本好きの方々なんですか?

津谷氏: 日本好きな人もいますけど、普通のカジュアル層にまで広がりつつあると思います。

東氏: もう日本という切り口は、最新のコンテンツでは捨てていますね。