India Gaming Showでインドゲーム市場の萌芽を実感

――2月上旬に開催されたインドのゲーム展示会「India Gaming Show 2017」(ニューデリー)に参加されたという話ですが。

松田氏: 5年ほど前にインドに行ったときと比べて、ずいぶん雰囲気が変わったという印象です。インドは教育熱心な国で、当時は、テレビゲームは教育によろしくない、というムードだったんです。インド社会がゲームを受け入れてくれるだけの素地がまだないのではないかと、当時はそんな感じがしました。映画やテレビなどと違って、ゲームに対するネガティブなイメージがあったようです。

 ところが、今回はBtoB、BtoCのゲーム展示会をインドで開催するということで、インド政府から経済産業省に後援の依頼が正式にあって、CESAやゲーム会社が出展するという方向で話が進みました。インドでは2014年9月にモディ政権が「Make In India(インドで作る)」という方針を打ち出したこともあり、前回の訪問時と違ってテレビゲーム産業をインドで盛り上げようという動きになっているのかもしれません。われわれもインドマーケットには前々から興味がありましたから、インド政府・日本政府の後押しがあるなら出展してみようか、ということになったのです。

 もし前回から風向きが変わってきているなら、約13億人というインドマーケットのポテンシャルは巨大です。若者も多いし、経済成長も非常に勢いがあります。経済が成長すれば最終的にエンターテインメントが必要になります。映画、音楽などに続いて、ゲームにも当然目が向けられることでしょう。今がまさにそのタイミングなのかもしれません。

 実際に出展して、現地メディアや流通担当者などから、社会的な構造が変化し、世代交代によってゲームに対するネガティブな見方が少なくなっていると聞きました。子どものころゲームで遊んでいた世代が消費層の中核となってきて、政府の方針とも重なり、流れが変わってきたのだと理解しています。

 また、流通網も大きく変わってきたそうです。インドの地場のeコマース・ベンチャー企業が急伸していて、それを利用する人が増えているというのです。ネット通販が増えてくれば、われわれがゲームビジネスをする上で基本的な環境が成立してくるのではないかと見ています。

「India Gaming Show 2017」のスクウェア・エニックスブース<br>(提供:スクウェア・エニックス)
「India Gaming Show 2017」のスクウェア・エニックスブース
(提供:スクウェア・エニックス)

――どんなゲームが遊ばれているんでしょうか。

松田氏: 圧倒的にスマートフォンとパソコン(PC)が多く、家庭用ゲーム機は関税が高いためまだ十分普及していないと聞いています。スマホゲームはFree to Play(基本無料)形式で、PCは有料ソフトを購入するというスタイルのようですが、流通網が変わり、支払い方法も電子化が進むと、消費マーケットとして急速に立ち上がる可能性もあります。

 言語対応も、英語が公用語ですから、必ずしも現地の言語(ヒンズー語など)にローカライズしなくても、ゲームを展開できます。そういう意味では、着実にビジネスの環境が整ってきているといえます。後は、4G回線などネットワークのインフラ整備が、どの段階で普及するかなどにかかっていると思います。突然大きなゲームマーケットに変わる予感はありますから、今後は、そうしたトレンドも意識して、もう少し販売に力を入れる必要があるんじゃないか、と思っています。