スマホゲームは世界同時発売を意識しない

――国内外のスマホゲーム市場の特性を考えて、タイトルの開発を切り分けることもありますか。

松田氏: スマホゲームの場合、売り上げだけで見てみると中国、日本、北米市場で世界の80%程度のシェアになっている。他の地域は、個別に見ればかなり小さいマーケットなんです。この傾向はここ10年間変わっていないし、さらに10年後にガラリと変わっているかというとそうとも思えません。インドなどの新しいマーケットが急成長することもあり得ますが、現在のスマホゲーム市場を占める国々は、そのままだと思います。

 そうなると、スマホゲームでは無理に世界同時発売を意識する必要はありません。中国市場を考えたビジネス、米国市場を考えたビジネスをそれぞれやっていかないといけない。加えて、これまで実態が見えていなかった新興国の動きも注視する必要があります。

――中国市場では、Perfect Worldと協業されています。

松田氏: そうですね。Perfect Worldさんとは、スマホタイトル『最終幻想 覚醒』などで協業しています。ただ、1社に限定しているわけではなく、タイトルごとに最適なパートナーを選んで、複数の中国企業とビジネスしています。

――中国市場で成功するのは難しいとよく聞きます。

松田氏: 何をもって成功とするのか、という点があります。例えば、現地法人を設立して、ものすごく利益が出たら成功なのか、リリースしたタイトルが売れているのが成功なのか。われわれはまだ中国市場で大きな売り上げをあげているわけではありませんが、もしトップセールスに入ればかなり大きな収益になるでしょう。そのためにタイトルごとに最適なパートナーを選んで、中国市場でのビジネスを深めていきます。

 『最終幻想 覚醒』の場合はPerfect Worldさんですし、『乖離性ミリオンアーサー』はNetEaseさんと展開しています。NetEaseさんは、今非常に勢いがありますね。中国市場で展開するときは、自分たちでタイトルをアレンジして持ち込もうとしても成功しないことが多いので、こうしたパートナーさんにアセット(ゲームのデータなどの資産)やIPを渡して、彼らのやり方で調理してもらいます。中国人のプレースタイルとか、課金のやり方などは日本市場と一致するわけではありませんから、知見のないわれわれはパートナーにお任せするというスタンスです。

――ほかに新興国マーケットで気になっているところはありますか。

松田氏: サウジアラビアや、アブダビ、ドバイといったアラブ首長国連邦(UAE)など、中東地域ですね。人口も多いのでかなり大きなマーケットです。ビジネス面のスムーズさ、国民所得などの面で安定的だと考えています。そのほかに、近年ビジネス的に盛り上がっているメキシコにも注目しています。

『最終幻想 覚醒』<br>(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
『最終幻想 覚醒』
(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
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『乖離性ミリオンアーサー』(中国語版)<br>(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. (C) NetEaseInc.All Rights Reserved
『乖離性ミリオンアーサー』(中国語版)
(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. (C) NetEaseInc.All Rights Reserved
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