新拠点完成で開発環境がパワーアップ

――まず2016年を振り返って、カプコンにとってどんな1年だったかお話しいただけますか。

辻本春弘社長(以下、辻本氏): まず大きなトピックは、2016年4月に稼働した「研究開発第2ビル」ですね。最初の研究開発ビルができて約20年、業容拡大とともに手狭になり、開発部隊も分散して業務を行っている状況でした。そこで研究開発ビルの向かい側の土地を取得して、今回新たな開発ビルを建てたのです。当社は内製中心でゲームを開発しているので、最新鋭のモーションキャプチャースタジオを導入するなど、“カプコン仕様”の開発環境を手に入れられたのは非常に良かったと思います。

 研究開発ビルが完成した1996年当時は、競合他社との関係もあって開発環境の情報を公開することはしませんでした。しかし、現在は自分たちの技術を開示し、開発力をしっかりアピールすることで、開発者の採用面にもメリットがあると考えています。当社は新卒を中心に毎年約100人の開発人員を採用しています。現在、コンシューマ開発だけで約1400人の開発者が働いていますが、現状でもまだ足りないくらいです。さらに多くの開発者を収容できるスペースを確保したことは、開発部門の「機動力」や「統制力」を高める効果があります。

――それほどまでに人材が不足している理由はなんですか。

辻本氏: 開発の内製化比率を高めたことに加え、当社が保有するIP(ゲームのタイトルやキャラクターなどの知的財産)のラインアップ数を考えた場合、それぞれのゲーム開発に対応しきれていないという点です。もちろん部分的な外注は存在しますが、今回の『バイオハザード7 レジデント イービル』のような基軸となるタイトルについては、自前で開発しなければ最先端技術への対応ができません。これから、特にVR(仮想現実)など先端的な開発に対応する必要もあるでしょう。

――そのほか2016年で注目すべき出来事は。

辻本氏: 2016年2月に『ストリートファイターV』を発売し、「eスポーツ」に対する取り組みを強化した点です。以前から北米では盛り上がっていたのですが、2017年はカプコンとしても国内でeスポーツを盛り上げていきたいと考えています。

 また、長年新しいIPを出したいと言い続けてきましたが、スマートフォン向けとして2016年8月に『囚われのパルマ』というタイトルをリリースしました。“恋愛アドベンチャー”という今までのカプコンになかったタイプのゲームで、多くの女性ユーザーから高い評価を得ることができました。そのほか音声合成でコミュニケーションが楽しめ、さらに交通系ICカードと連動させることで遊びの幅を広げた『めがみめぐり』のようなゲームも投入するなど、新しいIPやチャレンジが具体的に動き始めた1年でした。

 さらに昨年は12月に世界で公開された『バイオハザード: ザ・ファイナル』のハリウッド映画があります。興行成績も好調で、その流れをうまく『バイオハザード7 レジデント イービル』につなげていきたいですね。

『バイオハザード7 レジデント イービル』
『バイオハザード7 レジデント イービル』
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『ストリートファイターV』
『ストリートファイターV』
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『囚われのパルマ』
『囚われのパルマ』
(C)CAPCOM CO., LTD. 2016 ALL RIGHTS RESERVED
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『めがみめぐり』
『めがみめぐり』
(C)CAPCOM CO., LTD. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.
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『バイオハザード: ザ・ファイナル』
『バイオハザード: ザ・ファイナル』
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