これ、会社で使う人っているんでしょうか

高橋: 最近、この「USB花粉ブロッカー」を雑誌で見かけて、「いよいよとんでもない商品が出たな」と思ったんです。これはどういった経緯で作られたんですか。

山光: 社員や私の妻が花粉症でつらそうだったので、何とかしてあげたいというのが最初の発想です。花粉症を何とかするというと医療系、例えば鼻の奥を焼いたり薬を塗ったりという解決法になると思うんですが、われわれにはそういうことはできないので、「自分のいる空間をクリーンルームみたいにできればいいんじゃないか」という点に狭めて考えたんです。ウエアラブルな状態で疑似クリーンルームのようにすると考えると、かぶりタイプで、前が見えるように透明にする。さらに空調を付けて息苦しくないようにして、フィルターも付けて花粉が中に入ってこないようにしようと考えて。

「USB花粉ブロッカー」(4230円)
「USB花粉ブロッカー」(4230円)
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高橋: かぶってみてもいいですか。

山光: もちろん、どうぞ。

高橋: 僕も、花粉症だけではなくハウスダストアレルギーがひどいんです。だから部屋にちょっとでもほこりがたまるともうダメで。この商品にも関心はあったんですけど。

山光: フィルターは、市販の不織布マスクを付けているだけなんですよ。購入者が自分でフィルターを替えられるように。

高橋: 付け替えるためにか。だから入手しやすいマスクにしているんですね。

フィルターに使用しているのは市販の不織布マスク
フィルターに使用しているのは市販の不織布マスク
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山光: そうです。マスクでフィルタリングされた空気が中に入るという仕組みになっています。帽子をかぶるようにかぶっていただければ。

高橋: ああ、かぶれた、かぶれた。こうか。固定されたわけですね。

サンコーのレアモノ 「面白い」と「売れる」の境界線(画像)
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山光: このままだと、だんだん苦しくなってくるんですよ。

高橋: 苦しいですね、すでに。

山光: 1分ぐらいするともう本当に息苦しくなるぐらいなんですよ。視界も曇ってきて。

高橋: 僕、今にも窒息しそうです。

山光: このスイッチをオンにすると。

高橋: ああ、呼吸がラクになりました。曇りもなくなって。これを付けた状態で仕事をするわけですよね。

山光: 付けたままパソコンを操作するという想定です。ポケットにモバイルバッテリーを入れておけば、そのままトイレに立つこともできます。

高橋: このまま移動できるんだ。トイレへ行って、また帰ってきて、仕事をすると。

山光: 空気が上から下に抜ける感じなので、すき間が多少あってもそこから花粉が上がってくることはないんですよね。空気が外に出ようとしているので。

高橋: 外の音もちゃんと聞こえますね。

山光: ええ。会話も普通にできます。

高橋: (外しながら)これはどこで作ったんですか。中国?

山光: これは中国で作っています。

高橋: じゃあ、帽子とかは、あり物なんですか。

山光: コストの面で、帽子に布を付けたみたいな感じになっています。

高橋: マスクを付け替えられるというのはすごいですよ。簡単に入手できて付け替えられるという意味では、これ以上ないリフィルですよね。売れているんですか?

山光: 2014年に発売したんですが、結構長いこと売れていますね。

高橋: 僕が雑誌で拝見したのはここ最近なので、比較的新しい商品かなと思ったんですけど。

山光: まあ、あんまりないですからね、こういう商品。

高橋: ないでしょうね、これは。花粉症が本当にひどい人って、やっぱりここまでやってブロックしたいんでしょうね。

山光: 目や粘膜がやられちゃって、鼻の下も痛いという話はよく聞きますよね。そういう悩みが解消できるものであれば、見た目は二の次、三の次になるのではないのかなと。ただ黄色はやりすぎだったかもしれないので、次作るときにはもうちょっとマイルドな見た目にはしたいんですけど。

高橋: 見た目、面白いですけど。

山光: 白にしていたらもっと売れたかなと思うんですけどね。

高橋: これ、会社で使う人っているんでしょうか。

山光: いると思います。

高橋: いるのか……。

山光: 付けたまま外に出てコーヒーを買いに行くみたいな動画を投稿している人もいました。

高橋: 『モンスターズ・インク』のあれみたいですよね。あの防護服みたいで。ネタ的にも、ということなのかな。かぶってみたいとか。

山光: それもあるかもしれないですね。

【後編はこちらから】

(文/樋口可奈子、写真/シバタススム)

当記事は日経トレンディネットに連載していたものを再掲載しました。初出は2017年8月7日です。記事の内容は執筆時点の情報に基づいています