高血圧は若いうちに治療することが大切

 もうひとつの観点が、若いうちから血圧を測定することの重要性である。

 70代になると、男性の80.8%が高血圧、女性では71.2%が高血圧になるという調査結果が出ているが、30代の男性でも20.0%、40代男性では29.9%が高血圧だという。

 だが、若年になるほど治療率が低く、その一方で、高血圧による脳心血管疾患発症への影響は高齢者よりも、若年者のほうが高いという調査結果も出ている。

年齢と高血圧症の関係
年齢と高血圧症の関係
[画像のクリックで拡大表示]

 そして、オムロンでは、血圧が高い人ほど認知機能が低いという関係が、調査から明らかになっていることを指摘しながら次のような傾向を示す。

 「57±4歳の中年期に、血圧が正常だった人が、15年後の高齢期にも血圧が正常だった場合の認知症の発症率を1とした場合、正常から高血圧になった人は3.7倍、高血圧から高血圧の人が6.9倍となる。だが、中年期に高血圧だった人が、高齢期に正常になったとしても認知症の発症率は6.7倍と高い。つまり、高齢になってから降圧しても手遅れである。むしろ、50歳までのあいだに高血圧を治療すると、認知症の発症は大幅に抑制できる」

高血圧と認知症の関連
高血圧と認知症の関連
[画像のクリックで拡大表示]

 オムロンヘルスケアでは30代、40代からの血圧測定の必要性を訴え、若いうちから高血圧治療を行う必要性を訴求している。

 ちなみに、一般的に冬場は全国的に血圧があがることになる。

 オムロン ヘルスケアが公開している「にっぽん健康情報マップ」によると、8月の最高血圧の平均値で、135以上となったのは島根県だけ。だが、1月には、島根県のほか、青森県、宮城県、富山県、石川県、岐阜県、和歌山県、奈良県、福岡県、宮崎県と10県に増加。全国平均も8月の125から、1月は132へと上昇している。

にっぽん健康情報マップ
にっぽん健康情報マップ
[画像のクリックで拡大表示]

 正しい血圧を知るためにも、最適な治療を行うためにも、家庭での血圧測定は重要だといえそうだ。

大河原克行(おおかわら かつゆき)
フリーランスジャーナリスト
1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、約20年にわたり、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。現在、ビジネス誌、パソコン誌、Web媒体などで活躍。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下電器 変革への挑戦」(宝島社)、「パソコンウォーズ最前線」(オーム社)などがある。近著は「松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略」(アスキー新書)、「究め極めた『省・小・精』が未来を拓く――技術で驚きと感動をつくるエプソンブランド40年のあゆみ」(ダイヤモンド社)。