家庭で血圧を測ることで高血圧かどうかを正確に知る

 オムロンヘルスケアでは、今回の製品を開発した背景として、家庭における血圧測定の重要性と、若い世代こそ血圧を測定すべきという2つの観点があるとする。

 それはなぜなのか。

 その理由を知るために、まずは、高血圧症がどんなものなのかを知っておく必要がある。

 高血圧症は、日本人に最も患者数が多い生活習慣病といわれ、推定患者数は前述の通り約4300万人と見られている。しかも、そのうち2500万人が、1度も病院で治療したことがない未通院。通院を中断した人などを含めると3750万人と、実に87%の人が病院に通っていないという。

国内の高血圧症の患者は約4300万人、そのうち2500万人が未通院
国内の高血圧症の患者は約4300万人、そのうち2500万人が未通院
[画像のクリックで拡大表示]

 血圧は高齢であるほど高くなる傾向があるものの、厚生労働省の調べでは、医療機関において「高血圧」と言われたことがある人の割合は、10年前に比べて、30~70代のすべての男女で増加傾向にあり、高血圧の状態を長期間放置していると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まると指摘されている。

 では、なぜ家庭で血圧測定をすべきなのか。

 実は、血圧には、「白衣高血圧」と「仮面高血圧」と呼ばれるものがある。白衣高血圧は、実際には血圧が正常なのに、病院で血圧を測定すると血圧値が高くなる人のことだ。病院の雰囲気や、看護士の白衣を見て、緊張してしまい血圧が上がるといった人たちも含まれる。ただ、これはわずか一部の人たちだけの現象ではない。調査によると全体の20%の人が、この白衣高血圧に当たるという。病院で高い値が出るために、不要な薬剤を投与される可能性も高い。

 もうひとつの「仮面高血圧」は、いわば白衣高血圧とは逆の人であり、通常は血圧が高いのに、病院では正常値が出るという人だ。これも全体の17%を占めるといわれる。血圧を下げる薬を飲んだ後に病院で血圧を測定したりといった場合のほか、「会社の健康診断の場では、近くに嫌な上司がいないため、ストレスが無くなり、血圧が正常値に収まるという人もいる」という笑い話のようなケースもある。ここでも最適な治療が受けられないという問題が発生することになる。

白衣高血圧と仮面高血圧
白衣高血圧と仮面高血圧
[画像のクリックで拡大表示]

 こうした白衣高血圧、仮面高血圧の人たちにとっては、家庭で血圧を測ることが自らの血圧値を知るうえでは重要であり、白衣高血圧、仮面高血圧を合わせた38%の人が当てはまる。

 日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインによると、診察室血圧と家庭血圧に差がある場合は、家庭血圧を優先すると示されており、日ごろから、自宅の落ち着いた環境で血圧を測ることの重要性を指摘している。