PC業界再編は2020年以降に

 だが、問題は成長が鈍化するであろう2020年以降だ。

 オリンピック後の一時的な景気低迷は、多くの国に共通するものだ。1965年の東京オリンピック後にも、「昭和40年不況」があった。そして、Windows 7からの置き換え特需後も同様。2014年4月のWindows XPの置き換え特需後には、23カ月連続で出荷台数が前年割れになる長期低迷につながった。しかも、Windows 10は、「最後のバージョン」といわれており、今後、OSのバージョンアップを背景にした特需はない。MRの普及についても、IDCジャパンが日本での成長率は世界全体に比べても見劣りするとの予測を出しており、PC市場拡大への貢献度は低いとの見通しを示している。

 市場成長が鈍化に転じたり、市場が縮小したりすれば、当然、製品ラインアップの見直しや、生産拠点の統廃合といった議論が改めて本格化することになろう。普及価格帯のグローバルモデルを主軸にするレノボと、国内向けの高付加価値製品を中心ににフルラインアッ プを展開するNECパーソナルコンピュータには補完関係があったが、これまで真っ向から対抗してきたNECパーソナルコンピュータと、富士通クライアントコンピューティングの製品には競合するものが多い。成長局面では、「選択肢を広げる」という戦略が許されても、成長が鈍化したり、市場が縮小したりすれば話は別だ。ラインアップの見直しや、生産拠点の再編は不可避ともいえる。

 2020年までは、これまでの体制とは変わらないだろう。だが、2020年以降になると、状況は一変する。2020年以降に起こりうる再編こそが、NECブランドのPCと、富士通ブランドのPCが、どんな形で生き残るのかを決めることになりそうだ。