立地が整えば、アップルストア再出店も?

 ソニーが攻勢を掛ける一方で、アップルストアはなぜ閉店したのか。今年2月のアップルストア札幌の閉店の際には、いくつかの噂が飛び交った。

 ビル全体をリニューアルするため、撤退を余儀なくされたという話や、アップルに全フロアを使用するように提案があったが、アップルがそれを受けなかったため閉店したといった話だ。だが、今回のソニーストア札幌の出店形態をみると、ビルのリニューアルは、設置されていたエスカレータを撤去して、エレベーターを設置するという工事に留まっている。また、ソニーストア札幌の出店は1階と2階であり、全館契約ではないことを考えても、いずれもアップルストア札幌の閉店の直接的な理由にはなっていないといえそうだ。

 関係者などからは、アップルストア札幌は、出店当初から時限的な契約を前提としていたのではないかとの話も聞かれる。しかも、この場所にはやや不便なところがある。

 立地としては札幌三越やファストファッションの店舗が隣接し、老若男女が訪れるエリアなのだが、地下道と直接つながっていないため、地下道を歩いてくると、一度外に出て、それから店舗に入る必要がある。寒い日が多かったり、雪が降ったりする札幌の環境を考えると、一度外に出るのは煩わしい。ただし、店舗前の道路は、ロードヒーティング(融雪機能)になっており、雪が降っても歩きやすい環境になっているのが救いだ。

 アップルストア札幌の再出店は現時点では未定となっているが、もし地下道に直結するような新築ビルの計画があれば、そうした場所への新たな出店を狙っているのかもしれない。

現在はアップルストアの看板を撤去しているところ
現在はアップルストアの看板を撤去しているところ
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アップルストアはビルの1階と地下1階を使用していたが、ソニーストア札幌はビルの1、2階になる
アップルストアはビルの1階と地下1階を使用していたが、ソニーストア札幌はビルの1、2階になる
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 いずれにしろ、ソニーストア札幌の出店は、ソニーファンにとっては、待望のものといえる。現在の計画では、1階にはデジタルカメラや液晶テレビ、オーディオなどのソニーの製品群を一挙に展示。2階にはシアタールームおよびギャラリーを設置することになるという。

 「店舗全体で約1000点の展示を予定している。また、新製品は、発表した翌日にはソニーストアに展示する。さらに、開発途中の製品も展示する予定。店舗内でのセミナーも開催し、カメラの清掃を定期的に実施できる環境も用意したい」とする。他店舗同様、「ソニーストアでは実際の製品を見て相談してもらい、買うのはいつもの店舗でも構わない」というのが基本姿勢だ。

 特に力を注ぐのがデジタルカメラの「α」だ。「北海道は、自然をはじめ、被写体には事欠かないエリア。地の利を生かして、αの魅力を、ほかの店舗以上に伝えていきたい。写真をもっと積極的に展示したり、写真が好きな人に楽しんでもらえたりするようなスペースを作りたい」と意気込む。

 札幌への出店で、新店舗の出店計画はひとまず完了するようだ。アップルストアのように都内に3店舗というような展開もないという。北は北海道から南は九州まで5つの拠点で全国をカバーしたソニーストア。各店舗からファンを拡大していく考えだ。