シャープは1~2年での黒字化に自信

 

 シャープの戴社長は、「今後1~2年で黒字化を果たし、投資回収を進めていく」と語り、早期黒字化への自信をみせる。2500億円規模の赤字から、わずか2年でシャープを黒字化させた手腕からすれば、その言葉にも信憑性がある。東芝PC事業の赤字幅からいえば、戴社長にとってはたやすい再建になるともいえよう。

シャープの戴正呉社長
シャープの戴正呉社長
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 戴社長は「東芝PC事業にはダイナブックで培われた人材と技術があり、それが残っている。ダイナブックの技術力と、シャープの管理力を融合することで、黒字化は可能。赤字幅は大きな額ではない」と言い切る。戴社長が語るシャープの管理力とは、トップダウンで厳しく管理する鴻海流と、現場のオペレーションはボトムアップで行うというシャープ流を取り入れた手法だ。そして、2019年までは、ダイナブックブランドが強い日本での事業拡大に専念し、その後、グローバル展開を視野に入れる考えのようだ。

 グローバル展開が始まったときに、シャープとダイナブックブランドの効果は最大限に発揮されそうだ。ダイナブックの世界的なブランド力を活用する一方で、シャープの親会社である鴻海グループのパワーを活用できるからだ。

 実際、シャープの液晶テレビ「AQUOS」は、2016年度には500万台という出荷実績であったが、これが2017年度には1000万台を超える出荷を達成した。中国やアジアなどで鴻海が持つ販売網を活用して一気に出荷台数を2倍以上に引き上げたのだ。当然、ダイナブックでも、同様の手を打つことができる。シャープでは、中期経営計画で、海外売上比率を80%以上にしていく方針を掲げており、それを加速する意味でも、東芝のPC事業は重要な役割を果たすことになろう。

 また、戴社長は、「シャープのAIoT(AIとIoTを組み合わせたシャープの造語)部隊との相乗効果に期待している。単なるPC事業ではなく、AIoT分野への展開が重要と考えている」とも語る。シャープが生産する液晶パネルをダイナブックに採用することが見込まれるが、戴社長はそれ以上の効果を見込んでおり、こうしたシャープが持つ技術や製品との融合も注目されるところだ。

 事業規模を大幅に縮小した東芝のPC事業が、シャープによる買収で息を吹き返すことになり、ダイナブックが復活する道筋が生まれたといえる。シャープ傘下で、どんなダイナブックが登場するのかいまから楽しみだ。

シャープ製の「ダイナブック」が登場することになりそうだ
シャープ製の「ダイナブック」が登場することになりそうだ
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