美的集団の資源投入で新しい製品を

 問題は、東芝らしい製品が、これからも投入され続けるかどうかだ。

 東芝の家電製品には、日本の家電メーカーらしいこだわりがいくつもある。例えば、冷蔵庫では、野菜の鮮度を重視するとともに、野菜室を真ん中に配置。毎日の使いやすさも追求したレイアウトになっている。炊飯器では、「釜仙人」と呼ばれる名人を中心に開発体制を構築。東芝独自のかまど本羽釜は市場から高い評価を得ている。また、掃除機では、日本の家屋に合った使いやすさを追求した工夫の数々が見逃せない。こうした東芝ならではの機能が今後も維持されることを期待したい。

 室町社長は、「家電事業は、収益性が悪かったため、新製品開発の資源投入が十分にできなかったという反省がある。だが今後は、美的集団による外部資金が導入されることに加え、美的集団が持つコンプレッサやエアコンの強みも生かすことで、新たな家電製品を市場に提供できるように進めていきたい」と期待を寄せる。「家電の東芝」と言われた名門が、中国資本のもとで、どう再生するのかが注目される。 

東芝の室町正志社長
東芝の室町正志社長
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