東芝は過去最悪の赤字をさらに下方修正

 シャープが鴻海の支援案を選択した場合、思わぬ影響を受けるのが東芝だ。

 東芝は、2016年2月4日、2015年度通期の業績見通しを下方修正し、最終赤字が7100億円になることを発表した。7000億円規模の赤字は、過去最大だ。2015年12月21日に、通期見通しが5500億円の最終赤字になることを発表しており、この時点でも、過去最悪の最終赤字見通しに激震が走ったが、それから約1カ月で1600億円もの下方修正を行って、あっさりと過去最悪を更新することになった。

 東芝の室町正志社長は、「公表から1カ月あまりで大きな修正となったことを深くおわびする」と陳謝。「金融機関から、すべての膿を出し切ってほしいとの要請を受けた。2016年度のV字回復をなんとしてでもやりきる」と語った。

 この赤字に伴い、2016年3月末には、自己資本が1500億円に減少し、自己資本比率は2.6%にまで落ち込むことになる。この水準では大規模な構造改革にも限界が生じるばかりか、債務超過に陥る可能性も捨てきれない。東芝メディカルシステムズの売却益による改善のほか、資産売却などのプラス要素も見込まれるが、危険水域からの脱却が急がれる。

 中でも、PC事業および白物家電事業の売却は、早急に決着をつけなくてはならない課題となっている。これらの赤字事業の再編が、2016年度以降のV字回復には不可欠な要素だからだ。

 室町社長は、「公表している構造改革を確実に実行しつつ、他社との事業再編に向けた検討を加速させているところである。2月末までには、なんらかの方向性を伝えたい」と語る。PC事業については、「一時は海外メーカーとも話し合いをしたが、いまは、海外メーカーへの選択肢の可能性は低くなっている」とし、富士通およびVAIOとの再編が有力とみられる。

東芝の室町正志社長
東芝の室町正志社長
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