ヤマダ電機は2015年10月30日、東京駅八重洲口前に「Concept LABI TOKYO」をオープンした。最先端コンセプトの情報発信基地と位置づけられていて、地下1階から地上10階までの各フロアごとに異なるコンセプトを設け、法人・官公庁向け窓口を強化するなど、これまでのヤマダ電機にはない店舗作りが特徴だ。

東京駅八重洲中央口前にオープンした「Concept LABI TOKYO」
東京駅八重洲中央口前にオープンした「Concept LABI TOKYO」
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人気のロボット「Pepper」が6台配置され、フロア案内をしてくれる
人気のロボット「Pepper」が6台配置され、フロア案内をしてくれる
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フロアごとにコンセプトを設定

 まず大きな特徴は、各フロアを「ステージ」と呼び、それぞれのコンセプトに沿ってメーカーが商品や使い方を提案していくスタイルの展示を行っていることだ。

 1階はアップルショップ。MacやiPhone、AppleWatchといったアップル製品が並んでいるのはもちろん、ヘッドホン、ドローン、スピーカー、活動量計など組み合わせて使える周辺機器も広いスペースをとって陳列されている。アップル製品だけでなく、それを中心にした使い方の提案もしていくのが狙いだ。

店舗の顔とも言える1階はアップルショップになっている
店舗の顔とも言える1階はアップルショップになっている
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ヘッドホンなどはその場で試せる
ヘッドホンなどはその場で試せる
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ラジコンやドローンも
ラジコンやドローンも
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DTM用機器なども試せる
DTM用機器なども試せる
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 2階は携帯電話を中心にしたモバイル機器のフロアだ。中央のカウンターを取り囲むように各携帯電話キャリアのブースが配置されている。携帯電話とアクセサリー類だけでなく、ウェアラブルコーナーとして活動量計などのコーナーもある。

値札、POPはどこ? ヤマダ電機「Concept LABI TOKYO」はここが新しい(画像)
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2階の携帯電話フロアには、スマートフォンと組み合わせて使うウェアラブル機器などのコーナーが設けてある

 3階はソニーとパナソニックの専門フロアだ。フロアを中央で分け、半分はソニーのテレビ、AV機器、カメラなどが並び、その反対側にはパナソニックのテレビ、AV機器、カメラなどが並ぶ。メーカー同士の競争を促すような配置になっていて、来店した客は両社のコンセプトを比べながら製品に触れられる。

値札、POPはどこ? ヤマダ電機「Concept LABI TOKYO」はここが新しい(画像)
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フロアの半分はソニーのテレビ、カメラ、ヘッドホンなどが並ぶ
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ソニーの反対側にはパナソニックのテレビ、オーディオ機器、レコーダー、ファクスなどが並ぶ
4階はテレビやオーディオなどAV機器のフロアだ。これまでヤマダ電機ではあまり取り扱っていなかった、海外ブランドの高級ヘッドホンなどもある
4階はテレビやオーディオなどAV機器のフロアだ。これまでヤマダ電機ではあまり取り扱っていなかった、海外ブランドの高級ヘッドホンなどもある
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まるで家電量販店じゃないような静かで落ち着いた雰囲気

 5階のカメラ売り場ではフロアの中央に各メーカーごとのレンズカウンターがあり、一眼カメラのレンズをじっくり試して購入できる。このフロアには、これまであまり取り扱ってこなかった高級デザイン家電のコーナーもある。

 どのフロアもそうなのだが、木目調や大理石調の床、壁、陳列棚に間接照明を組み合わせ、一般的な家電量販店とは違う、落ち着いた雰囲気を演出している。この5階はそれが特に強く感じられるフロアだ。

 家電量販店というと大音量でBGMが流れ、商品が所狭しと並べられ、説明用POPがゴチャゴチャとつけられているのを想像してしまう。しかしこの店舗にはそうしたPOP類がほとんど見当たらない。値札も控えめでぱっと見ではどこに価格が書いてあるのか分かりにくいほど。店内のBGMも気にならないのでAV機器なら試聴しやすく、店員の声も聞き取りやすい。

5階中央にはレンズを試せるカウンターが配置されている。カメラバッグやアクセサリー類もそろっている
5階中央にはレンズを試せるカウンターが配置されている。カメラバッグやアクセサリー類もそろっている
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5階には高級デザイン家電のコーナーもある。木目調の棚と間接照明で落ち着いた雰囲気だ
5階には高級デザイン家電のコーナーもある。木目調の棚と間接照明で落ち着いた雰囲気だ
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6階は健康器具や美容器具のフロアだ。美容器具や化粧品コーナーは商品数が多いが、落ち着いた雰囲気でまとめられている
6階は健康器具や美容器具のフロアだ。美容器具や化粧品コーナーは商品数が多いが、落ち着いた雰囲気でまとめられている
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7階は調理家電や掃除機などが並ぶフロア。こうしたフロアもメーカー別に並んでいて比較しやすい
7階は調理家電や掃除機などが並ぶフロア。こうしたフロアもメーカー別に並んでいて比較しやすい
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 POP類の代わりに重視しているのが、店員による商品説明だ。同店をオープンするにあたり、各店舗から商品に詳しいエキスパートを選んで約3カ月の研修を行ったという。熟練の店員から説明を聞きながら商品をチェックできるわけだ。

8階はエアコンや冷蔵庫などが並ぶフロアだ。商品を見てもPOPはほとんどなく、店員の説明を聞きながらじっくり試すスタイルになっている
8階はエアコンや冷蔵庫などが並ぶフロアだ。商品を見てもPOPはほとんどなく、店員の説明を聞きながらじっくり試すスタイルになっている
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法人向けビジネスも重視

 9階はパソコンやタブレットなどのフロアだ。ここは中央にある「コンセプトゾーン」が特徴で、オープン時にはインテルのRealSenseテクノロジーの体験コーナーや2in1デバイスの展示などが行われていた。データ復旧や修理などを受け付けるカウンターも設置されている。

9階にはインテルのRealSenseテクノロジーの体験コーナーがあった(オープン時)
9階にはインテルのRealSenseテクノロジーの体験コーナーがあった(オープン時)
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パソコンなどをメーカー別に配置。ソニーのAndroidタブレットのコーナーやGoogleのハードウェアをまとめたコーナーもある
パソコンなどをメーカー別に配置。ソニーのAndroidタブレットのコーナーやGoogleのハードウェアをまとめたコーナーもある
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 10階はパソコン周辺機器などを販売しているほか、企業・法人・官公庁向けの窓口のあるフロアになっている。八重洲という場所柄もあって法人向けを重視しており、法人向け担当者を30人配置している。このほか地下1階は時計やビジネス小物、ドラッグ、土産物などのコーナーで、海外からの観光客の需要にも応えるフロアになっている。

 Concept LABI TOKYOは落ち着いた店内の雰囲気、コンセプトをはっきりさせたフロア作り、POP類をなくして店員による商品説明を重視するなど、これまでのヤマダ電機のイメージを覆すような店舗作りが特徴だ。オープン前日の説明会でヤマダ電機の山田昇社長は「既成概念にとらわれず、製品やサービスを新しい視点で紹介し、最先端のコンセプトを発信するフラッグシップ店舗と考えている。メーカー各社にはこの店を利用して情報発信をどんどん競いあってほしい。そのための場所として用意した」と説明した。

 また「店名の通り、日本の真ん中である東京駅のすぐそばにあることが大事だ。海外からの観光客、新幹線で出張に向かうビジネスユーザー、法人向け需要など、これまでにない客層の広がりと需要を想定している。POPをなくしたことで接客技術が問われるが、よりすぐった店員をそろえていて、日本一の接客を目指している」(山田社長)という。初年度の売り上げは150億円以上を見込んでいる。

(文/湯浅英夫=IT・家電ジャーナリスト)