錦糸町は「まだ知られていない穴場」

 事前予約は圧倒的に外国人、しかも欧米人が多いという。すでに展開しているのが米国、英国、ドイツ、オーストリアなどということもあり、欧米人の認知度が高いこともあるが、「マリオット・ブランドのホテルの中では最も低価格で泊まれるからではないか」と生沼キャプテンは分析する。

 錦糸町というロケーションを選んだのは、たまたまビルごとリノベーションできる空き物件があったから。だが、「錦糸町は外国人観光客にもまだあまり知られていない穴場」と生沼キャプテン。あらゆる国の料理が食べられる飲食店があり、大きなスーパーやショッピングモールもある。交通の便も良く、国技館のある両国まではひと駅。東京駅や秋葉原、渋谷、新宿にも乗り換えなしで行ける。東京スカイツリーは徒歩圏内だ。浅草も自転車ならあっという間に着くので、同ホテルではレンタサイクルも貸し出している。

ゲストが利用できるレンタサイクル(有料)
ゲストが利用できるレンタサイクル(有料)
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 便利な街である一方、風俗店などが多いことから錦糸町は治安が良くないというマイナスイメージを持たれがちだ。だが、「そうしたイメージに地域住民もストレスを感じている。地域をイメージアップさせるきっかけを探していた行政や地元の方々も、ホテルのオープンを喜び、応援してくれている。このホテルが街のイメージを変えるきっかけになってほしい」と生沼キャプテンは話す。

 正直、滞在中は驚くことの連続だった。ホテルスタイルが多様化しているとはいえ、ここまで型破りなホテルは初めてだった。こうしたホテルは、ひとつ間違えば「狙い過ぎ」になり、面白さよりもあざとさを感じることになりがちだ。だが、そうはならないブランドの作り方が見事だと感じた。「チェーンホテルとしてのノウハウがあるのが強み」という生沼キャプテンの言葉が印象に残った。

宿泊した部屋の窓の外の風景
宿泊した部屋の窓の外の風景
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(文/桑原恵美子)