「NYやイタリアにも引けをとらない施設」

 JR大津駅周辺が低迷する一方で、実は大津市内に宿泊した外国人観光客は急増している。「毎年、70~80%増えているが、多くは京都観光が目的。まずは、市内に滞在してもらうことが課題となっている」(越市長)。

 そのための拠点と位置付けられるのが、新設の大津観光案内所「オーツリー」。大津の観光情報を発信するのはもちろん、地元の商店から公募した名産品の販売や地域と連携したイベントの開催、クーポン事業など、駅から街中へと人が流れる仕掛けづくりを行う。ガイド役には、イタリア語、日本語、英語、スペイン語を話せるイタリア人スタッフを採用。「大津の魅力を外国人に再発見してもらえれば、街の自信にもつながる」(越市長)という。

 外国人観光客の利用を促すために、例えば、一流シェフに学ぶだし巻き玉子の料理教室など、外国人も楽しめるサービスや心地良い空間を意識した。「価格競争力が高く、ニョーヨークやイタリアの施設にも引けをとらない。レストランカフェにホテルが併設した施設は、世界中どこにもない」と、佐藤社長は胸を張る。

 全国には大津駅のような閑散とした駅前や商店街が数多く存在する。街の活性化につながり、地方創生のモデルになりそうな今プロジェクト。琵琶湖や史跡など豊富な観光資源を有する街だけに、地元住民も巻き込んだイベントの継続とSNSの活用が成功のカギになりそうだ。

ビエラ大津1階の大津観光案内所「オーツリー」。レンタサイクルはロードバイクと電動自転車8台を用意。来年3月までは無料で利用できる
ビエラ大津1階の大津観光案内所「オーツリー」。レンタサイクルはロードバイクと電動自転車8台を用意。来年3月までは無料で利用できる
[画像のクリックで拡大表示]
「世界から人の集まる街」をめざす観光拠点にふさわしく、モダンで開放的な空間
「世界から人の集まる街」をめざす観光拠点にふさわしく、モダンで開放的な空間
[画像のクリックで拡大表示]
駅から街へと人が流れる仕掛けとして、市内の商店街で利用できるクーポンチケットを発行。オリジナルマッブも制作した
駅から街へと人が流れる仕掛けとして、市内の商店街で利用できるクーポンチケットを発行。オリジナルマッブも制作した
[画像のクリックで拡大表示]
観光案内所の物販コーナーでは、地元の茶匠が作る「和紅茶」や、黒豆菓子「大津百町百福豆」「三井寺力餅」などを取り扱う
観光案内所の物販コーナーでは、地元の茶匠が作る「和紅茶」や、黒豆菓子「大津百町百福豆」「三井寺力餅」などを取り扱う
[画像のクリックで拡大表示]
ビエラ大津1階には、近江牛や近江ちゃんぽん、多賀蕎麦といったご当地グルメを味わえる飲食店が軒を連ねる
ビエラ大津1階には、近江牛や近江ちゃんぽん、多賀蕎麦といったご当地グルメを味わえる飲食店が軒を連ねる
[画像のクリックで拡大表示]

(文/橋長初代)