野村不動産がホテル事業に参入したわけ

 首都圏を中心にマンションなど住宅事業を拡大してきた同社だが、ホテル事業への参入は大手不動産会社のなかでは最後発。今後も訪日客を中心に国内のホテル需要は増えることが見込まれるが、新規参入に踏み切った理由は何なのだろうか。

 その背景について塚崎社長は、日本のホテル事情の変化を指摘する。「日本では、主に出張需要に対応するビジネスホテルが全体の8割を占める。その一方で、最近は自分の好みやこだわりに合った質を求めたり、滞在中の過ごし方を重視したりする動きが高まり、新たな価値観を持ったホテルが求められている」という。

 事実、ここ数年、都内にはトランクホテル、ワイアードホテル、ザ・ミレニアルズなどが開業。地域との交流や体験、スタイリッシュなデザインに快適性を兼ね備えたコンセプトのライフスタイルホテルが注目されている。 同社はこうした状況を捉え、人が集う場としてのホテルの価値に着目。マンションを核とした街づくりの実績を生かし、地域を巻き込んだホテルを開発することで、他社との差別化を図ろうとしている。「開発後も30年、50年と長く自社運営することで、魅力的な街づくりにつなげていける」と塚崎社長。

 今後は年間2、3店のペースで拡大していく予定。すでに秋葉原、六本木、京都にホテル用地を取得済みで、首都圏と関西以外にも出店する計画という。出店のカギは「地域で眠っている資源があり、それを掘り起こして街おこしにつなげていくこと」(ホテル担当者)。したがって、ウエノとは異なるデザインや取り組みのホテルになる可能性が高い。次の展開が気になるところだ。

くつろぎと落ち着きを感じられる柔らかいテイストのオリジナル家具は、タイム アンド スタイルが企画デザインし、日本各地の工場で製造された
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フィットネス志向をもつ欧米人観光客の獲得を狙い、最新マシンを備えたフィットネスルームも設置
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(文/橋長初代)